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乗ってわかったフルモデルチェンジした2代目「レンジローバー イヴォーク」の完成度

2019.08.25

2012年3月に、日本で販売が開始された初代「レンジローバー イヴォーク」。当時、そのSUVらしからぬ、斬新でクールなクーペスタイルのエクステリアに衝撃を受けたのを、いまでも鮮明に憶えている。

しかも、その走りは、外見に違わず洗練されており、ラグジュアリー・コンパクトSUVのパイオニアとしてオープンカー(コンバーチブル)を登場させるなど、その魅力を次々と放ち続けてきた。

そして、いよいよフルモデルチェンジした2代目となる新型「レンジローバー イヴォーク」が、6月1日より日本市場にて受注開始。2代目は、どのように進化(深化)しているのか?

今回は、ランドローバー初のマイルド・ハイブリッドの「R-DYNAMIC HSE P300 MHEV」に試乗してきたのでレポートしてみたい。

“Reductionism(還元主義)”というデザイン深化

新型「レンジローバー イヴォーク」では、“Reductionism(還元主義)”というデザイン理念が取り入れられている。この還元主義とは、reduce(減らす)という英語の意味もあるとおり、余計なものを足さない日本文化の“侘び・寂び(わび・さび)”に通じる「引き算の美学」のような考え方で、実に奥が深いのだ。

正直、エクステリアは、先代に比べてどこが変わったのか、あまり違いが分からないのだが、実はドアヒンジ以外の99%が新設計のボディ構造であり、居住空間とトランク容量の拡大に寄与している。もちろん、独特の傾斜したルーフラインとリアに向かって上昇するウエストラインは、レンジローバーのアイデンティティーとして健在。

ボディサイズは、全長4380×全幅1905×全高1650mmと先代に比べ全長で25mm、全幅ではたった5mmのプラスなので、ほとんど変わりはない。ただし、ホイールベースを20mm延長して2680mmとすることで、リアシートのレッグスペースや室内の収納スペース、トランクルームを拡大させると同時に、走行安定性を増している。

そして、インテリアは、先代同様に水平基調のデザインは変わらないものの、シフトをダイヤル式からレバー式に変更したり、10インチの2つの高解像度のタッチスクリーンからなる最新のインフォテインメント・システム「Touch Pro Duo」を備えるなど、エクステリアよりはその違いは大きく、さらに質感を向上させている。

シート素材には、従来のレザーに加え高い耐久性を誇るウール混紡の、Kvadratプレミアムテキスタイルやリサイクル素材を活用したDinamica(R) スエードクロス、ユーカリ素材を使ったEucalyptusメランジ・テキスタイル、しなやかな風合いと高い通気性、抗菌性が特徴のUltrafabrics(TM)ポリウレタンを用意。

後席の空間は、全長4380mmというボディサイズや、クーペスタイルのシルエットからは想像ができないほどの余裕がある。今回は比較することができなかったが、多分ホイールベースを延長したことにより、先代よりも大幅な余裕が生まれているのではないだろうか。さらに、オプションの固定式パノラミックルーフを装備すれば、写真のような開放感が得られる。

リアラゲッジも十分なスペースが確保され、40:20:40の分割可倒式リアシートをすべて折り畳めば、トランク容量は最大1,383リットルにまで拡大するので、大きな荷物にも便利に使えそうだ。

まさに死角のないスムーズな走りに進化

今回、試乗したマイルド・ハイブリッドの「R-DYNAMIC HSE P300 MHEV」が搭載する2.0リッター直列4気筒DOHCターボエンジンは、最高出力300PS/5500-6000rpm、最大トルク400Nm/2000-4500rpmを発生。これに加え48Vバッテリー、BISG(ベルト・インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)、コンバーターを搭載し、17km/h以下に減速するとエンジンを停止させてエネルギーを蓄電し、溜めたエネルギーを発進時に動力として活用するというもの。

ちなみに、そのエンジンが収納されているボンネット裏もすごい。渡河水深600mmを誇るエアインテークのダクトの取り回しや歩行者保護エアバッグ、デプロイアブルボンネットシステム(歩行者頭部保護装置)を装備するために凝ったつくりに。もちろん国産車ではなかなか見られない、ダブルキャッチ(ボンネットを固定する部分が2か所)で、剛性などもアップ。

実際に走ってみると、マイルド・ハイブリッドのおかげで、出足がスムーズで滑らかに感じられる。しかもモーターアシストの介入が気にならないほど自然で、しっとりとした乗り心地と併せて、上質な走りを堪能できるのだ。これは、ストップ&ゴーの多い街中でも便利に使えそうだ。さらに、電子制御9速ATとの相性も悪くない。

そして、今回の新型でトピックとなるのが、まるでボンネットがないかのようにフロント下180度の視覚を確保する「ClearSightグラウンドビュー」を世界初採用したこと。これは、フロントグリルおよび両ドアミラーに設置したカメラで撮影した映像を、スクリーンに映し出すというもので、時速30km/h以下で作動する。道路の段差や駐車の際の障害物などを確認するのに、大いに役立ちそうだ。

さらに、その特徴的なデザイン故、懸念されていた後方視界についても、ジャガー・ランドローバー初採用となる「ClearSightインテリア・リアビューミラー」が解決。車体後方のシャークフィンアンテナ部分に内蔵されたカメラにより、視野角50度もある高解像度映像をルームミラーに映し出してくれるので、後部に乗員や大きな荷物がある場合はもちろん、夜間や悪天候の際にも視認性を高めてくれる。

もちろん、ランドローバーファミリーならではのオフロード性能にも磨きがかかっている。路面状況に応じて最適なサスペンション、トランスミッション、トラクションなどの設定を自動制御する「テレイン・レスポンス2」や車両の走行状況を常にモニターして必要に応じて前輪と後輪のトルク配分を行なう「アクティブ・ドライブライン」および「エフィシェント・ドライブライン」を搭載。

また、渡河水深は先代から100mm増となる600mmとなり、あらゆる地形、天候での優れた走破能力を発揮するのだという。今回は、オフロード性能については試せなかったが、機会があればその様子もお届けしたい。

愛を込めて“ダメ出し”

さて、初代「レンジローバー イヴォーク」が登場した際に、その斬新であまりにカッコいいデザインに、「SUVを買うならこれしかない!」と心に決めていた私。その後、自分のライフスタイルにSUVの必要性が出てこなかったため、相棒となることはなかったが、その気持ちに偽りはない。

その2代目となる新型が、ほとんど見た目の変わらないデザインで登場したが…、私個人としては、大賛成だ。これほどまでに完璧で完成されたデザインを、変える必要はない。変えるべきは、そこではないと思うからだ。

噂によれば、今後はプラグインハイブリッドのモデルも登場予定とのこと。初代では、コンバーチブルを登場させるなど、世界を驚かせるようなモデルを導入してきたように、さらなる魅力的なモデルを期待したい。

■関連情報
https://www.landrover.co.jp/vehicles/new-range-rover-evoque/

文・撮影/土屋嘉久(ADVOX株式会社 代表)
クルマは走らせてナンボ!をモットーに、どんな仕事にも愛車で駆けまわる日々。クルマのほかにもグルメやファッション情報、また小学館Men’s Beautyでは、男性に向けた美容・健康法、化粧品情報なども発信。

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