中高生の“大人”に対するイメージ 高校生の94%が「疲れている」、89%が「大変そう」と回答
中高生は、“大人”に対して、どのようなイメージを抱いているのでしょうか。
まず、全回答者(中学生200名、高校生800名)を対象に、いまの“大人”に対する対照的な2つのイメージを提示し、それぞれどちらに近いか尋ねる調査が行われた。
中学生についてみると、「大変そう」と「楽(ラク)そう」では『大変そう(計)』(85.5%)、「疲れている」と「元気」では『疲れている(計)』(92.0%)、「楽しくなさそう」と「楽しそう」では『楽しくなさそう(計)』(57.5%)、「甘い」と「厳しい」では『厳しい(計)』(63.0%)、「暗い」と「明るい」では『暗い(計)』(56.5%)、「尊敬できない」と「尊敬できる」では『尊敬できない(計)』(53.0%)が、それぞれ多数派となった。
2017年の調査結果と比較すると、『楽しそう(計)』は9.0ポイント上昇(2017年33.5%→2019年42.5%)、『明るい(計)』は5.0ポイント上昇(2017年38.5%→2019年43.5%)、『尊敬できる(計)』は3.0ポイント上昇(2017年44.0%→2019年47.0%)していた。 (図5)
(図5)
高校生についてみると、「大変そう」と「楽そう」では『大変そう(計)』(89.3%)、「疲れている」と「元気」では『疲れている(計)』(93.6%)、「楽しくなさそう」と「楽しそう」では『楽しくなさそう(計)』(68.5%)、「甘い」と「厳しい」では『厳しい(計)』(59.9%)、「暗い」と「明るい」では『暗い(計)』(61.8%)、「尊敬できない」と「尊敬できる」では『尊敬できない(計)』(53.6%)が、それぞれ多数派となった。
多くの項目で中学生の結果より高い割合となり、特に『楽しくなさそう(計)』は中学生57.5%、高校生68.5%と、高校生のほうが11.0ポイント高くなっていた。高校生には“大人は楽しくなさそう”など、ネガティブなイメージを持っている人が多いことがうかがえる。
2017年の調査結果と比較すると、『楽しそう(計)』は5.0ポイント上昇(2017年26.5%→2019年31.5%)、『明るい(計)』は5.9ポイント上昇(2017年32.4%→2019年38.3%)、『尊敬できる(計)』は3.3ポイント上昇(2017年43.1%→2019年46.4%)していた。 (図6)
(図6)
中高生がカッコいいと思う大人のイメージは? 1位「好きなことに打ち込んでいる」
次に、全回答者(中学生200名、高校生800名)を対象に、どのような大人をカッコいいと思うか尋ねる調査が行われたところ、中学生では「好きなことに打ち込んでいる」(57.5%)が最も高く、次いで、「マナーがしっかりしている」(57.0%)、「面白い・ユーモアがある」(56.5%)、「おしゃべり・トーク上手」(49.5%)となった。
男女別にみると、「マナーがしっかりしている」(男子中学生47.0%、女子中学生67.0%)や「自分に自信をもっている」(男子中学生28.0%、女子中学生50.0%)は女子のほうが20ポイント以上高くなっていた。女子は男子以上に、マナーをわきまえた態度や自信にあふれる姿を大人のカッコよさの基準と考えているようだ。
高校生では「好きなことに打ち込んでいる」(56.3%)が最も高く、次いで、「マナーがしっかりしている」(51.4%)、「面白い・ユーモアがある」(49.9%)、「身近な人々(家族や仲間)を大事にしている」(45.9%)となった。
男女別にみると、「マナーがしっかりしている」(男子高校生42.8%、女子高校生60.0%)や「身近な人々(家族や仲間)を大事にしている」(男子高校生37.0%、女子高校生54.8%)は女子のほうが15ポイント以上高くなっている。女子高校生には、マナーのよさや身近な人々への態度に、カッコよさを感じる人が多いことがわかる結果となった。 (図7)
(図7)
中高生が“幸せ”だと思うのは? 「安定した仕事」VS「好きな仕事」では「好きな仕事」が多数派
中高生の価値観を探るために、全回答者(中学生200名、高校生800名)に、“幸せ”について2つの例を提示し、それぞれどちらに近いか尋ねる調査が行われた。
まず、仕事や働き方に関して、「安定した仕事に就いている」と「好きなことを仕事にしている」のどちらが幸せだと思うか尋ねる調査が行われたところ、中学生、高校生とも『好きなことを仕事にしている(計)』(中学生59.5%、高校生57.4%)が多数派だった。
「給料は高いけれど、残業時間が長い会社で働いている」と「給料は低いけれど、残業時間が短い会社で働いている」では、中学生、高校生とも『給料は高いけれど、残業時間が長い会社で働いている(計)』(中学生55.0%、高校生54.4%)が半数以上となった。 (図8)
(図8)
お金の使い方に関して、「100万円の臨時収入があった場合はパーッと使う」と「100万円の臨時収入があった場合は貯金する」では、中学生、高校生とも『100万円の臨時収入があった場合は貯金する(計)』(中学生75.0%、高校生74.3%)が多数を占めた。(図9)
好きな仕事をすることのほか、高い収入を得ることやしっかり貯金することなど堅実な生活を送ることが幸せだと感じる中高生が多いようだ。
(図9)
また、結婚や住居に関して、「結婚しているけれど自由な時間やお金が少ない」と「結婚していないけれど自由な時間やお金が多い」のどちらが幸せだと思うか尋ねる調査が行われたところ、中学生では『結婚しているけれど自由な時間やお金が少ない(計)』(51.5%)が多数派となりました。
一方、高校生では『結婚していないけれど自由な時間やお金が多い(計)』(53.4%)が多数派となった。結婚に関しては、中学生と高校生で、意識がやや異なっているようだ。
「マイホームに住んでいるけれど、住宅ローンを抱えている」と「賃貸住宅に住んでいるけれど、住宅ローンはない」では、中学生、高校生とも『マイホームに住んでいるけれど、住宅ローンを抱えている(計)』が半数以上となった(中学生58.0%、高校生55.8%)。 (図10)
(図10)