オープンタープは生地の目にもこだわりあり
シンプルなオープンタープは、なかなか驚くほどの新しいデザインや機能は生まれにくい。そんな厳しい状況でも粘って生み出したのがMARIPOSAだ。
MARIPOSAはスクエアタープの変型。一般にレクタングラーやスクエアのタープは、メインポール2本を高く持ち上げ、四隅をサブポールで持ち上げるか張り綱で地面近くまで下げるものが多い。MARIPOSAはサブポール2本をサイドの辺の真ん中に差し込み、四隅を落とすデザイン。有効面積が広く、雨が入り込みにくい設計となった。
あえて縫い目をセンターに設けているのも特徴だ。不利に思えるが、メインポールが引き合う力に対応するため基礎強度は向上しているという。また、力の方向に素直に従うため、シワがうまれにくくその分雨がたまりにくい。
ハンガーテープは稜線以外にも取り付け可能だ。低い位置なら、シェラカップやタオルなど使用頻度の高いものを引っかけるのに重宝する。
長年、世界中のプロダクトの中から日本でヒットするモノを選択してきた選球眼がサバティカル開発に大いに役立ったのだろう。ライバルの多いカテゴリーだが、後発だけあり独自アイデアが盛りだくさん。しかも素材へのこだわりを感じる作りだが、価格はSKYPILOTですら8万円を切っておりコストパフォーマンスはかなりいい。
TC製でゆったりサイズのタープ&シェルターのため、お世辞にも軽いとは言えないが、この独自機能とコスパのよさは大きな魅力だ。
取材・文/大森弘恵