鶏むね肉に8割ほど火が入ったら、きゅうり、カシューナッツ、鶏がらスープの素を加えてさらに炒め、きゅうりに少し火が入ったあたりで料理酒を加える。
★POINT
炒め続けていると焦げつきそうになってくるのでそれを防ぐために料理酒を加えます。また、料理酒の旨味、鶏がらスープの旨味が塩味の深みを生み出してくれるので、塩味だけでなく旨味を追加する意味を考えながら調味料を追加すると出来上がりのイメージがさらにリアルに感じられますよ。冒頭で紹介した料理の妙とは、このことです!
料理酒の水分が飛んで全体的に炒まったら完成です。お皿に盛り付けましょう!
【5:00経過】
いかがでしょうか。塩味なんだけど、その実は鶏がらスープ、にんにく、料理酒などの風味や旨味も追加されてるという仕上がりです。もし塩だけの味であれば、深みがなくただしょっぱいだけになることでしょう。また、塩だけでパンチを出すのも難しいので、ブラックペッパーのスパイシーさも不可欠です。などなど、これぞトータルバランスというもの。料理は味の相乗効果でどんどん美味しさが増すんだなと感じられますね! そんなことを考えながらお酒のアテを作ると楽しいもんですよ。ぜひ、チャレンジしてみて下さいね。それでは今宵も、良いお酒を♪
『お料理うんちくツイート』~塩は1番うまくてまずいもの~
「塩は1番うまくてまずいもの」と言われることがある。これは確かな話。塩はそのまま食べるとまずいが、上手に味付けをすればうまくなる。とても不思議な調味料である。ちなみにこの話の答えは、人間の体液の塩分濃度が0.85%であるからと言われている。自分の体液の塩分濃度に近ければ美味しいと感じられ、それ以上だと辛く、以下であれば物足りなく感じるのだとか。料理の世界では塩分濃度0.8%~1.1%程度の味付けが美味しいと感じられる範疇とも言われる。料理の時に塩味のつけ方に困ったときは、この話を思い出すといいかも知れない。
文/ムッシュ・フジタ