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ボルボのステーションワゴン「V60 T6 ツインエンジン AWD インスクリプション」の完成度を検証

2019.08.17

商品として魅力的か? ★★★★☆4.5(★5つが満点)

 この連載でもその都度取り上げてきた最近のボルボの、ADAS(運転支援)デバイスの充実ぶりや優れたドライバーインターフェイスなどは「V60 T6 ツインエンジン」でも変わるところがなかった。依然として、他をリードしていて使いやすい。

 自分のスマートフォンを接続して使うアプリも充実している。個人的には、GoogleMapsとSpotifyを自宅リビングや仕事場などとシームレスに使えるのが便利だ。ただ残念なのが、これも最近のボルボのプラグインハイブリッド版各車に共通しているのだが、ラジオがFMしか聞けないのがAMファンとしてはとても残念だ。

「どうしても、ノイズが混じるから」という理由だったが、2020年モデルからエンジン車のボルボでもAMの設定がなくなるという。「毒蝮三太夫のミュージックプレゼント」や「アフター6ジャンクション」が聞けないのが困る。ボルボカーズ・ジャパンによると、「AM放送局もFM電波を使って放送しているから問題なし」とのことだが、V60 T6 ツインエンジンでは従来通りの90.0MHzまでしか設定されていないので聞けないのだ。

 まぁ、前述の通り、スマートフォンをUSBコードで接続してradikoやTuneIn Radioなどのアプリ経由で聞くことができるので問題はないのだが、これも前述の通り、センターコンソールの収納スペースがミニマムなのであまり使いやすくない。ここは、一部のヨーロッパ車のようにBluetooth接続してアプリが使えるようにしてもらいたいものだ。

 また、不満点というわけではないのだが、トランクスペースがあと数㎝前後に長ければ後席を折り畳まずに済んだことがあった。現状の「V60」でも十分な空間が確保されていて、さらなる広さを求めるのならば、より大型の「V90」を選ぶべきなのだが、ボディーサイズに比したトランクルームの大きさがもう少し大きければバランスが取れているのではないだろうか。

 そのサジ加減は難しく、かつての「240ワゴン」や「850ワゴン」のような積載量を最優先するステーションワゴンとはキャラクターが異なった、スポーツワゴン的なものが新時代のボルボなのだと考えれば納得がいくのかもしれない。

 とは言っても「V60 T6 ツインエンジンAWD」は、SUV全盛の時代に貴重な、よくできたステーションワゴンであることは間違いない。すでに予定されているのかもしれないが、このプラグインハイブリッドのパワートレインを搭載した「V60 Cross Country」も出して欲しい。Pureモードはアウトドアアクティビティでこそ威力を発揮するからだ。

■関連情報
https://www.volvocars.com/jp/cars/new-models/v60/lineup

文/金子浩久(モータージャーナリスト)

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