配偶者の「言葉の暴力」(モラルハラスメント=モラハラ)といえば、夫から妻へのものをイメージするが、最近は、妻からのモラハラに悩む夫が増えている。
夫婦問題カウンセラーとして、約8千人の悩み相談にのってきた、高草木陽光(たかくさぎはるみ)さんによれば、相談に来る人の「40%は夫からの相談で、夫と妻の相談者の割合は大きくは変わりません」という。
我慢を重ね、心身に影響が生じるほど深刻化することも少なくないそうで、高草木さんは著書の『心が折れそうな夫のためのモラハラ妻解決BOOK』(左右社)では、モラハラ妻の傾向と対策について論じている。
モラハラ妻は4タイプ
本書を読むと、モラハラ妻はおおむね、「GPS型」、「マイペース型」、「上司型」、「爆発型」の4タイプに大別できることがわかる。
例えば、GPS型は猜疑心が強くて、浮気をしているのではないかと「車にGPSやボイスレコーダーを仕掛ける」こともあることから、こう名付けられている。マイペース型は、「家族の予定を台無しにする気まぐれや」、爆発型は「ムカつく」が口癖で攻撃性が高いというふうに、性格特徴が記され、そして対策が指南されている。
私事で恐縮だが、筆者が個人的に注目したのが上司型だ。周囲の若い夫たちの愚痴を聞くと、そのタイプの奥さんが圧倒的に多い。統計的に確かなことはわからないが、このタイプの女性は結構多いのではないか。
そこで今回は、上司型モラハラ妻の傾向と対策についてみてみたい。
上司型妻の特徴とは?
高草木さんは、上司型妻は「夫の話すことに、ことごとく否定的な言葉を投げかける」のが大きな特徴だと、本書の中で述べている。
一言で言うなら「アラ探しの達人」。家事や育児を手伝っても、何かにつけネガティブなことを言われるので、まるで口うるさい会社の上司と一緒にいるかのよう。だから「上司型」なのだが、これでは家にいても休まらない。
上司型のモラハラ妻の特徴(本書30pより)
しかも、妻は夫に「否定的な言動をとっているとは夢にも思っていない」ことが多いとも。さらに、洗濯物のたたみ方からはじまって様々な局面で、自分流のルールを押し付けてくることもあって、夫にはかなりストレスフルだ。
反面、「指導力がある」という特性があるので、勤め先ではリーダー的存在として評価されており、家族も同じ方向に導いてくれる心強い面がある。
指導力があるというプラスの面を持つ上司型妻