医師がすすめるカラダにイイこと!教えてDr倉田
シミだけでなく、シワの原因にもなる紫外線から肌を守るために、皆さんしっかり「日焼け止め」を使っていますよね?
一方、近年になってチョコレートが心臓や血管などカラダに良い効果をもたらす、そんな研究結果が世界中で盛んに報告されています。
今回は、チョコや高カカオと紫外線肌の関係についてご紹介します。
日本人はチョコをあまり食べていない?
日本チョコレートココア協会の調査によれば、日本人は2017年の1年間に2.16kgチョコレートを食べています(1987年は1.42kg)。
板チョコ1枚は約50gなので、板チョコに換算すると約43枚食べています。1か月で3~3.5枚ですが、チョコレートケーキなどチョコ菓子も含まれています。
世界では「ドイツ11.7kg、スイス10.2kg、イギリス8.3kg」といった消費量なので、日本人は諸外国に比べるとチョコを食べていないようです。
「チョコの食べ過ぎで、ニキビや肌荒れが増える」と思う方もいることでしょう。
ニキビや肌治療を日々行っていると、「チョコだけの食べ過ぎでニキビが増えた」方はそれほど多くない印象があります。
そもそも特定の食べ物とニキビの因果関係は、はっきりしている訳ではありません。
チョコレートがなかなか手に入りにくかった頃、子供たちに際限なく食べられることを恐れた大人たちの企みだったかもしれませんね。
紫外線とカカオ豆
チョコレートの原料カカオ豆は、ガーナなど西アフリカ、東南アジア、中南米という赤道直下の平均気温27度以上、日差しが強く暑い場所で栽培されている植物です。
この「紫外線を多く浴びる環境で育っている」ことがポイントです。
2013年に徳島大学から発表された動物(マウス)を使った報告をご紹介します。
まず、マウスの背中に、紫外線を照射すると、肌の角質水分量低下や水分蒸発が起こりました(紫外線による肌ダメージが生じた)。
次に、「カカオポリフェノール(チョコやココアに含まれている)」を餌に混ぜて1週間与えたところ、角質水分量低下や水分蒸発を抑えられました。
この実験でカカオ豆の「カカオポリフェノール」は、紫外線で起きる肌のバリア機能低下を防ぐ効果があることが分りました。人間対象の研究は後ほどご紹介しますね。
これはどうやら、カカオ豆が持つ「紫外線から身を守る」術に秘密があるようです。
まさかその術を利用するために、人間たちに食べられてしまうとは……カカオ豆は想像していなかったでしょうね。