夏バテの隠れた真犯人?
「夏バテ」は、命を奪う病気ではないので、季節が涼しくなれば自然に回復します。暑さだけが原因なら「気にせず放置」しても良さそうですよね??
ところが、抗アレルギー薬や降圧薬などの飲み薬、貧血、高血糖(糖尿病)、うつ病でも「夏バテ」に似た症状が出ることがあり、実は隠れた真犯人かもしれません。
持病がある方は、「夏バテだから大丈夫だろう」と軽く考えず、カラダの不調があったら遠慮しないで主治医の先生に相談することも重要だと思います。
夏バテ対策3ポイント!
温度や湿度調節ができず寝苦しく、「睡眠不足⇒疲れが回復できず体力が低下⇒食欲が低下⇒さらに体力も低下する」という悪循環が体内で起きているのが「夏バテ」です。
夏バテ対策には、①睡眠 ②食事 ③軽い運動と早めの出勤 の3つが重要です
①睡眠
就寝する30分前には、パソコンやスマートフォン、テレビなどを見ないこと。
実は私も動画を観ながら寝ることがしばしばありますが、目への刺激は睡眠の妨げになります。また、寝る時に最適な室温は28度位がおススメです(エアコンの設定温度ではなく、室温)。
ずいぶん高温だと思われるかもしれませんが、寒すぎても眠りが浅くなってしまいます。タイマーなどを上手に活用し、室温管理して下さいね。
②食事
暑い時期は、麺類などのど越しや口当たりの良い食べ物を摂りがちです。ところがサッパリした食べ物は、「タンパク質」など栄養分が少なめです。また、冷たい飲み物ばかりだと胃腸の動きが悪くなることもあります。
暑い季節にタンパク質が豊富なウナギやお肉を食べる、麺類や冷奴にはネギや生姜などカラダを冷やさない作用がある薬味を入れるといった、昔からある日本の習慣は「夏バテ」にも効果的です。
③軽い運動と早めの出勤
朝晩の涼しい時間帯に30分程度のウォーキングなど軽めの運動をすると、眠りやすくなります。忙しいビジネスパーソンの方が日常生活に取り入れるなら、少し早めに家を出て一駅分歩いて、職場の近くのカフェで一息ついてから出勤することも良さそうですね。
「夏バテ」が病気ではないと言われても、私たちを悩ませる「暑さによるカラダの不調」であることは間違いありません。人間に外気温や湿度を変化させる力があれば良いのですが、そういう訳にはいきませんよね。
皆さんたち1人1人のビジネスパーソンが「睡眠、食事、軽い運動と早めの出勤」などに取り組むことが、「夏バテ対策」に重要でしょう。
取材・文/倉田大輔(池袋さくらクリニック 院長)