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ミントやパクチーがおつまみ!?新しい日本酒の楽しみ方を提案する「夏酒フェア」が面白い!

2019.08.01

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

ミントやパクチーをおつまみにした飲み比べや日本酒モヒートも登場

 日本酒造組合中央会が運営する「日本の酒情報館」では、8月16日までの期間限定で「夏酒フェア」を実施している。「夏酒飲み比べセット」「日本酒モヒート」(各400円・税込以下同)や、暑い季節にのどごし良く楽しめる日本酒を1杯100円(30ml)、200円(60ml)というお値ごろな価格で提供する。

 きりりと冷やした日本酒を味わうことができるようになったのは電気が普及した近代になってからのこと。秋に収穫した米を使い冬に仕込むが、昔の新酒は荒々しく飲むのに適してはいなかったため、半年間寝かせてから翌年の秋に新酒を飲むというのが従来のサイクル。熟成期間であった夏場は、一昔前までは日本酒のシーズンオフの時期だった。

 時代を経て、お酒を冷やして飲む、冷やした状態で保存することが可能になり生酒が普及した。エポックメイキングになったのが吟醸酒の登場だ。フルーティーな香り、スムースで軽いタイプの吟醸酒が普及するにつれ、冷やしてワイングラスで飲むスタイルも定着。また、ペアリングで洋食に合わせた日本酒も作られるようになり、リンゴ酸、クエン酸といった酸味のあるもの、細かい泡立ちのスパークリング清酒も人気を呼んでいる。

「夏酒フェア」の期間中は、ミントやパクチーをつまみに日本酒を飲む、日本酒で作るモヒートなど新しい飲み方を提供。日本酒との斬新なペアリングを提案している恵比寿の日本酒バー「GEM by moto(ジェム バイ モト)」の千葉 麻里絵オーナーと共に『最先端の日本酒ペアリング』を著した日本酒造組合中央会理事の宇都宮 仁さんは、今回の意外な組み合わせをこう話す。

「日本酒はなんにでも合うと言われているが、著書ではピンポイントな食材と合わせている。例えばイクラは華やかな香りの吟醸酒と相性が良い。塩気と甘味はよく合うし、ワインの場合だと魚卵は生臭くなってしまうが、日本酒は生臭くならない。ワインは基本、酸っぱい、苦い、渋いという味の構成で、こってりとしたソースや肉にはよく合うが、野菜と合わせると互いの苦味を掛け合わせてしまう。酸味のある料理も同様。世界のレストランではそのような料理のときに日本酒が選ばれていて、白ワインの一種として受け入れられつつある。また、アジア系のハーブやスパイス、今回のようなパクチーのほか、レモングラスや山椒などとも相性がいい。千葉さんの店ではちょい足しとして日本酒にスパイスを足すこともある」(宇都宮さん)

〇夏酒飲み比べセット(ミント・パクチー付き)

 冷酒で味わう夏酒数種類の中から選んだ3種類(日によって銘柄は異なる)の飲み比べ。暑い時期に合わせた新しい日本酒の飲み方として、ミント、パクチーを食べながら日本酒を飲み、味の変化や香りを楽しむという提案をしている。この日は「大信州 夏のさらさら 純米吟醸」(長野・大信州酒造)、「別誂・雅山流あさがお 純米吟醸」(山形・新藤酒造店)、「貴 夏純米 発泡にごり」(山口・永山本家酒造場)のラインナップ。

〇「日本酒モヒート」

 日本酒をトニックウォーターで割り、ミントをたっぷり入れた日本酒のモヒート。今回使われた日本酒は「若波 TYPE-FY2 純米吟醸」(福岡・若波酒造)で、リンゴ酸が多く含まれ、通常の日本酒の倍ほどの酸味がある。

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