エアコンは急に壊れてしまうことがあり、修理や交換をするにも高額なので、買い替えに戸惑うこともあると思います。今は正常に動いていても、劣化していくので、エアコンの寿命は年々近づいています。
ここでは、エアコンを長く使用するためにも、故障の原因や症状、前兆と対策など、エアコンを長持ちさせるコツをご紹介します。
エアコンの性能に大切なコンプレッサーの働きとは?
エアコンのコンプレッサーには、冷房や暖房の効果を発揮するための重要な役割があり、故障してしまうと、温度管理ができず、交換には高額な費用がかかってしまいます。ここでは、コンプレッサーの仕組みや冷房・暖房時の働き、故障させないための予防法などをご紹介します。
エアコンに搭載されているコンプレッサーの仕組みとは?
コンプレッサー(圧縮機)とは、室外機の中に搭載されている冷媒の温度をコントロールするパーツで、集めた熱を圧縮し、冷媒が熱を放出しやすい温度に調節する役割があります。コンプレッサーの性能が高いほど、圧縮にかかる電力を減らしてくれるので、省エネです。
【参考】DAIKIN 圧縮機とは?
エアコンの冷房・暖房時の仕組みは?
圧縮機により高温になった空気を室外機の熱交換機により冷却し、運ばれる空気を放熱させながら液化し、圧力を下げます。圧力が下げられた液体は気化しやすくなり、室内機の熱交換機で蒸発し、周囲の熱を奪っていきます(潜熱)。(この時、ファンが吸い込んだ室内の空気が熱交換機により冷却され、室内に吹き出しています。)低温になった気体は室外機の圧縮機に戻り、同じ動作を繰り返すことで部屋を冷やし続けます。
暖房時は、冷房の仕組みを逆に行うことで、室内の空気をエアコン内で温めて吹き出しています。冷媒が室外の空気(10℃)を吸収した時は、室内に熱を放出するために冷媒を圧縮し、空気を80℃まで高めます。
エアコンを故障させないためには、お手入れが大切!
○室外機にカバーを掛ける:コンプレッサーに負担が蓄積しないように、外部からのゴミや雨風を防いでくれます。外的要因を受けにくい場所に室外機を設置するのも効果的です。
○掃除をこまめにする:エアコンや室外機、室内をこまめに掃除することが大切です。エアコン内部に入り込んだプラスティックや金属片、髪の毛やホコリなどが故障の原因となることもあるので、定期的なお手入れが必要です。
○使用時間を短縮する(使用しない時はコンセントを抜く):稼働時間が長くなると故障の可能性が高まるので、稼働時間を制限することも重要です。また、停電時には瞬間的に電圧が掛かってしまうので、コンセントを抜いておくことも大切です。
エアコンのコンプレッサー交換費用は?
三菱のルームエアコン修理料金の目安では、冷媒部品・圧縮機の故障の場合、2万2000円~16万7000円の費用が必要です。東芝の場合は、圧縮機の交換で5万8000円~10万5000円となっており、交換するよりもエアコンを買い替えた方がオトクな場合もあります。コンプレッサーの交換は高額なことが多いので、故障させないように予防やお手入れを実施しましょう。
エアコンのコンプレッサーが故障する原因は?
エアコンのコンプレッサーの故障の原因となるのは、フィルタを通り抜けた小さなゴミなどが蓄積して詰まってしまう「ゴミ詰まり」や、冷媒が外気に漏れることにより、内部のオイルが一緒に漏れてしまい、コンプレッサー内の摩擦で故障する「冷媒漏れ」、使用年数が長い場合は「劣化」などが考えられます。ここでは、故障の原因や症状、確認方法などをご紹介します。
エアコンのコンプレッサーが故障した時の症状は?
コンプレッサーの故障の場合は、室内と室外の気温差がある時にエアコンが効かないという症状が発生しやすいです。エアコンが効かない場合は、コンプレッサーの故障以外に、ガス漏れの可能性もあるので、配管に霜が付いていないか確認してみてください。
エアコンのコンプレッサーから異音がする場合
室外機から正常時では鳴らないような「カタカタ」や「カチカチ」のような音がする場合は、送風ファンの汚れや変形の可能性があります。音にはいくつかパターンがあるので、正常時の音を聞いておき、定期的に音を確認することで、故障に早く気付くことができます。
エアコンのコンプレッサーが回らない場合
室外機が回らない場合は、ファンモーターの故障や保護回路の作動、冷媒ガスの不足・漏れ、制御基板の故障が考えられます。室外機の熱の持ち過ぎや、冷媒機能の故障など、様々な要因が考えられますが、多くは錆や摩耗、歪みや亀裂が生じるなどの経年劣化が疑われます。
エアコンのコンプレッサーの寿命はどのくらい?
一般的にエアコンの寿命は10年程度と言われています。エアコン本体に製品寿命が記載されたシールなどが貼られていることがあるので、確認してみてください。エアコンから異音や嫌なニオイがする、エアコンのパワーが落ちてきた、室内機から水が漏れている、エアコン操作ができない、などの症状がある場合は寿命が近付いています。長く使用できるように、エアコン本体や室外機のお手入れを定期的に行ってください。
コンプレッサーの修理費用は? エアコンの買い替え時期
エアコンが故障した時の修理に必要な性能部品の最低保有期間は、10年と定められているので、期間が終了している場合は買い替える必要があります。修理費用が高額になり、買い替えた方が安くなる場合もあるので、修理費用や買い替え費用を考慮して決めることをおすすめします。
エアコンを長く使用するためにも、定期的なお手入れや故障の前兆を見逃さずに対策し、予防してみてはいかがでしょうか。
※データは2019年7月下旬時点での編集部調べ。
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文/Sora