昨年、レトルト食品の国内生産量は過去最高を記録したが、これはレトルトカレーの増産が大きな要因だという。
かつては、多忙だったりで調理が面倒なときのお助け食品の面が強かったレトルトカレーだが、「ご当地カレー」ブームもあって日常的に食べる人が増加。レトルトカレー人気が止まらないなか、レトルトカレーを1つの食材としたアレンジレシピを考案したのが、カレー・スパイス料理研究家の一条もんこさん。
一条さんの考えたアレンジレシピは、フライパンでレトルトカレー、缶詰サバ、粒マスタードを加熱するというふうに、ミニマムな食材・調味料でできてしまうシンプルなものが主体。調理器具も最小限で、手早くできるのが特徴だ。
しかも、使うレトルトカレーは100円台の安価なものでOK。これは、「この価格帯のレトルトカレーはシンプルに作られていてクセがなく、アレンジに最適」だからという。
中でもアレンジにオススメのレトルトカレーは、「咖喱屋カレー」(ハウス食品)、「S&Bおいしいカレー」(エスビー食品)、「カレー職人」(江崎グリコ)とのこと。
今回は、そうしたお手軽レシピの数々を1冊にまとめた『あなたの知らないレトルトカレーのアレンジレシピ 』(扶桑社)より、いくつかのレシピを紹介したい。
麻婆風カレー
【材料】
レトルトカレー:1袋
豆腐(ひと口大に切る):150g
しょうゆ:小さじ1
ごま油:小さじ1
ラー油:少々
【作り方】
1. フライパンにすべての材料を入れて熱し、沸騰したら1分加熱する。
2. 盛り付け時に好みで小ネギ(分量外)を散らす。
一条さん:最近流行の麻婆カレーをいつもの調味料でパパっと再現。豆腐の柔らかな食感とスパイスで、中華とカレーの融合をお楽しみください♪
とろとろ卵の味噌キーマカレー
【材料】
レトルトカレー:1袋
鶏ひき肉:100g
味噌:小さじ1
砂糖:ひとつまみ
卵黄:1個
ごま油:小さじ1
【作り方】
1. フライパンにごま油を熱し、鶏ひき肉と味噌を炒める。
2. カレー、砂糖を加え、沸騰したら2分加熱する。
3. 盛り付け時に中央に卵黄をのせ、好みで貝割れ大根(分量外)を散らす。
一条さん:風味のよいごま油は、味噌との相性バッチリ。シンプルなカレーと鶏ひき肉の組み合わせを、芳醇なキーマへと導いてくれます。
スープで食べる餃子カレー
【材料】
レトルトカレー:1袋
餃子(冷凍):5個
鶏がらスープ:300ml
【作り方】
1. 深めのフライパンにすべての材料を入れて熱し、沸騰したら3分加熱する。
2. 盛り付け時に好みで小ネギ(分量外)をのせる。
一条さん:つるっとおいしい餃子は、あんからうま味が溶け出しつつ、餃子にもしっかりとカレー味がしみ込んで絶品! 主食にもスープ代わりにも活用できる便利メニューです。
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最後のカレーと餃子のコンビネーションには少し驚かれたかもしれないが、本書にはちくわ、はんぺん、切り餅、春雨など和・中華の素材を使うものもあれば、スパゲッティやラーメンのような麺類とのコラボもあり、さらに、つけ合わせやデザートのレシピも掲載されている。一条さんが編み出した、レトルトカレーから広がるバリエーションはまさに無限大。日常食として、いくつか台所で常備しておくといいだろう。
一条もんこさん プロフィール
料理人を経て、カレー及びスパイス料理のレシピ開発を行う、カレー・スパイス料理研究家。家庭科教諭免許保持。年間800食もカレーを食べ、レトルトカレーは通算3千食以上を実食。カレー研究会、スパイス料理教室の「スパイスライフ」主宰。『カレー放浪記』レギュラー出演などメディア露出多数。よこすかカレー大使など、全国でカレーによる町おこし活動も実施。
文/鈴木拓也(フリーライター兼ボードゲーム制作者)