今、掃除機ジャンルの中でも最も元気なのが、コードレススティック型掃除機。中でもメイン機並みの活躍が期待される今年発売の新製品4モデルを、家電コンシェルジュの神原サリーさんに診断してもらった。
多様なアタッチメントの付属も〝買い〟の必要条件
バッテリーとモーターの進化により、ハイパワーかつ長時間稼働を実現、キャニスターにとって代わる存在となっているコードレススティック型掃除機。「メイン機使いするには、キャニスターができたことを同レベル以上にこなせる必要があります。そこで、すき間ノズルや布団用ヘッドなど、付属アタッチメントの種類が増えているのも最新モデルの特徴です。1台で床はもちろん、家具のすき間や高所、布団やクルマの中も掃除できるようにしたわけです」
その中でどれを選ぶかは、やはりライフスタイルや好みとのマッチングになる。
「ダイソンはもちろん、エレクトロラックスの吸引力も申し分なかったですね。吸引前後の跡がはっきり違うくらいの実力でした。一方、ボッシュは電動工具用のバッテリーを使い回せる利点があるものの、模擬ゴミがヘッドからこぼれ落ちるなど〝過渡期〟にある印象です。そんな中、シャープの『ラクティブ エア』は〝群を抜く軽さ〟が目を引きました。マメに掃除する人や力の弱い女性には大きなアドバンテージですね。ただ、どれも個性がはっきりしていて、ブランド力もデザイン性も高い。機能自体は成熟方向なので、あとは使う人の感じ方次第かな」
スティック掃除機を回診した人
家電コンシェルジュ
神原サリーさん
家電を中心にした執筆など、幅広く活躍。わかりやすい解説と気さくな人柄から各メディアで引っ張りだこ。著書に『サリー流「効率家事」』(宝島社)。
テスト項目
[TEST.1]吸引力
床、カーペット、畳にビーズと砂を同量散布、ワンストローク動かす。テストの難易度は高い。
[TEST.2]操作性
掃除しづらいテーブルの脚まわりで取り回しやすさや、使いやすさの工夫などを検証。
[TEST.3]独自機能
各モデルの押しとなるオリジナルの特徴機能をフィーチャーして、使い勝手をチェック。
日々の掃除が楽しくなる1台
シャープ『ラクティブ エア EC-AR3SX』
オープン価格(実勢価格約7万円)
床掃除から高所までストレスフリーで掃除できる超軽畳コードレス。春モデルでは新型モーターの採用で吸引力アップを図るとともに、ラグマットの段差もラクに乗り越えるヘッドをスティックタイプで初搭載。バッテリーを2個付属。
【アタッチメント:6個】
充電時間:約80分 サイズ:W223×H980×D220mm、1.5kg(標準質量)
使用時間の目安:強/約16分、自動/約40分、弱/約64分
モーターを搭載した自走式のパワーブラシにより、動きもスムーズ。
大風量高圧3Dファンモーターの採用で吸引力が従来機比約30%アップ。
[TEST.1]「なかなかの健闘ぶりでした」
パワーを強く打ち出してはいないものの、フローリングや畳の掃除は難なくクリア。カーペット上に撒いたビーズは大きめの粒が少し残っただけ。「マメに掃除するなら何ら問題ないレベル」
[TEST.2]「本領発揮の使いやすさ」
ひねりが効くヘッドで、家具の脚まわり、すき間掃除もスーイスイ。「ドライカーボン製パイプなどの採用による1.5kgという軽さが最大の魅力。床掃除のついでに高い場所の掃除もできます」
【評価】★★★★☆
[TEST.3]「あるとうれしい気配りが満載」
ヘッド部を足で踏むだけで、パイプが分離する〝スグトルブラシ〟は、サリーさんイチ押しの機能。「掃除途中で、ちょい置きできるゴム製フックのアイデアもさすがです」
【評価】★★★★★
〈神原’S総合評価〉
「軽さや使いやすさ重視のモデルなので、正直、吸引力は期待していませんでしたが、実はちゃんとやれる子でした。使い勝手よく、日々掃除をする女性にうってつけ。メイン機としても十分イケます」