僕が『DIME』編集部に配属されたのは23年前、39歳の時だ。何もかもが取材対象となる雑誌だったので、知らなかったことをたくさん知った。なかでもその後ずっと“定番”になったのが、後輩が教えてくれた航空会社系クレジットカードだ。一般には100円で1マイルのところ、ゴールドカード(年会費15000円)なら1.5マイルと高換算率。早速加入して、23年間使い続けた。貯めたマイルで、イタリア、シンガポール、タイ、ハワイ、国内各所を旅行、それはそれは恩恵に預かった。
だがこのところ、国内線はそうではないが、国際線はなかなか予約がとれない。かつて出発日10ヶ月ほど前に、ヨーロッパ直行便ビジネスクラスを予約したことがある。だが今は、予約受付開始日(希望日の約1年前)の午前0時に申し込んでやっと取れると、マイラーの後輩が嘆く。予約受付開始日でないと絶対に取れないわけではないだろうが、取りやすさという点ではかなり難しくなっているようだ。こんな状況下、マイルは既に十分にあり、これ以上増えても使い切れそうもなく、何か別のメリットがあるカードはないものかと、漠然と思っていた。
世界屈指のホテルグループ・マリオットボンヴォイ=Marriott Bonvoyとアメリカン・エキスプレスの提携カード
そんな折の5月下旬、娘から「リタイアしてたまに海外に行きたいおじさんには、spgアメックスがおすすめ」なるラインが来た。早速“spgアメックス”で検索、あれこれ調べると、これはまさに旅行好きには最強のカードだとわかる。spgとはスターウッドプリファードゲストの略だが、このことは頭の隅に置いておけばいい。簡単に言うと、世界屈指のホテルグループ・マリオットボンヴォイ=Marriott Bonvoyとアメリカン・エキスプレス=アメックスの提携カードだ。日本人になじみのあるMarriott Bonvoy加盟ホテルをあげると、マリオット、シェラトン、ウェスティン、ザ・リッツ・カールトンなど、そうそうたる高級ホテルがならぶ。
年会費は税別31000円と高いが、この金額以上の十分なメリットがある。ホテル系カードなのでメインのメリットは、ポイント(原則100円で3ポイント)を貯めての無料宿泊だ。ではspgアメックスカードの特典を列挙していこう。
世界に約6700軒ある加盟ホテルは、カテゴリー1から8までに分類され、カテゴリーごとに無料宿泊できるポイント数が決まっている(今後は各カテゴリーが、標準時、ピーク時、オフピーク時に分けられ、時期ごとに必要ポイント数が変わるようだ)。カテゴリー1なら7500、最も高級な8なら85000ポイントだ。spgアメックス会員はカードを更新するとその約1ヶ月後に、1泊50000ポイント以内の加盟ホテルに無料で泊まれる宿泊券が付与される。50000ポイントはカテゴリー6に該当し、具体的には国内ならウェスティンの東京/大阪、ザ・プリンスさくらタワー東京ほか、ハワイならシェラトン・プリンセスカイウラニ、ワイキキ・ビーチ・マリオット・リゾート&スパほかだ。提供される部屋はスタンダードルームながら、土日祝日、お盆、年末年始に関係なく、申込時に空室さえあれば予約できる。