2018年にフルサイズミラーレスが出揃ったものの、今年も1億画素超の中判モデルが発売されるなど新機種から目が離せない。そこで最新モデルの目玉機能の実力をチェックした。
大型から小型までミラーレスカメラ市場はまだまだアツい!
昨年、ソニー、キヤノン、ニコンから出揃ったフルサイズミラーレスカメラが一躍トレンドとなったが、引き続き今年もミラーレスカメラの市場は話題に事欠かない。
富士フイルムは中判ミラーレスで史上初となる1億万画素超えの『GFX100』を発売。大きくて重いという中判の常識を打ち破る、コンパクトで持ちやすいボディーに強力な手ブレ補正と高速AFで、シルバー世代からの支持を狙う。
今回のテストでは、中判とは思えない機動性の高さに加え、ピントのシャープさ、手ブレ補正の抜群さなどが浮き彫りに。今後、さらにどんな驚きの機能が搭載されるか注目だ。
『GFX100』を回診した人
中庭愉生さん
六本木スタジオを経てフリーとなり渡欧。東京を拠点に雑誌、広告写真の分野で活動中。
テスト項目
[TEST.1]トリミング耐性
1億200万画素の画像はどこまでトリミングに耐えられるのか。印刷して確かめた。
[TEST.2]常用ISO感度
常用ISO感度の上限を使い撮影して、解像度とノイズをチェック。
[TEST.3]手ブレ
手ブレ補正機能で成功率100%のシャッター速度から、さらに遅くして限界に挑戦。
[TEST.4]AF追従度
AF-Cが使える限界の高速連写速度で、どれぐらいピントが合っているかを確認。
中盤ラージフォーマットで新次元の画質
富士フイルム『FUJIFILM GFX100』
オープン価格(実勢価格約122万5000円)
民生用デジタルカメラでは最多の1億200万画素を実現したフルサイズの1.7倍の面積のセンサーを採用。防塵・防滴、耐低温で、着脱式のEVFを持つ。ボディー内手ブレ補正機能を搭載し、交換レンズは8本ある。
センサーサイズ:43.8×32.9mm 有効画素数:1億200万画素
AF追従連写速度:5コマ/秒 手ブレ補正:最大5.5段
常用感度:ISO100〜12800 撮影時重量:1400g
[TEST.1]「四隅までピントがシャープ!」
トリミング耐性は圧巻。拡大表示しても解像感は十分だった。「レンズ性能が高いせいか四隅をクロップしても画像はシャープです」
【評価】★★★★★
[TEST.2]「シャドーのノイズも許容範囲!」
「ISO12800で撮影した屋内の画像はノイズが抑えられ、解像度が高く、階調性も良好です」大型センサーが高画質を実現した結果に。
【評価】★★★★☆
[TEST.3]「1/2秒で成功率80%」
手ブレ補正は抜群。「今回、一番驚いた機能。普段使いのキヤノン『5D』では1/13秒で成功率は60~70%。1/2秒は驚異的です」
【評価】★★★★★
[TEST.4]「顔認識追従は10枚中4枚が合格ライン」
秒5コマの連写で撮影。「顔認識でのAF追従に限ってはイマイチの性能だと思います」。カスタム設定の調整で向上の可能性ありか。
【評価】★★☆☆☆
〈中庭’S 総合評価〉
「中判とは思えない機動性の高さで、普段使っているキヤノンより撮影に集中できました。難点はPCへの負荷。高画質なため1枚200MBを超えます」
取材・文/ゴン川野 撮影/中庭愉生