ゲームとは一見関係なさそうな異業種で働く人が、ボードゲームやカードゲームを制作・販売する例が増えている。その動機は、実益を兼ねた趣味であったり、時には自分のビジネスのPRであったりと様々だ。
今回は、そうした取り組みをする1人、ファイナンシャルプランナー(FP)が考案したというボードゲーム「カレポ」を紹介しよう。
「人生ゲーム」ではなく「人生を生きるゲーム」
「カレポ」は、2~3人でプレイするゲームで、プレイヤーの役割は1人の女性。20代から始まり、10年刻みでライフイベントを経験しつつ、人生の大きな目標を達成しようとするのがテーマとなっている。
こう聞くと、国民的ボードゲームの「人生ゲーム」が想起されるが、考案者でFPの西野勝章さんは、コンセプトは「“人生ゲーム”ではなく“人生を生きるゲーム”」だと語る。確かに、サイコロ運のウェイトは低く抑え、人生目標と家族構成をにらみながら経済的な収支をやりくりする戦略性の高さは、すごろく的なゲームとはまったく異なる性質を帯びる。
「カレポ」のコンポーネント(別途、説明書が同梱)
何種類ものカード・タイルがあって一見複雑だが、ルールは多くなくて、すぐに飲み込める初心者にやさしい設計。遊び方をざっくり説明すれば、以下のようになる。
各プレイヤーには、彼氏タイル、行動タイル、目標カードなどが規定枚数配られてゲーム開始。
このうち目標カードが重要で、80代を迎えるまでに記載の目標を達成することで10~30点のボーナスポイントが得られる。例えば、30点の目標カードの1つ「独立」には、「資格を取得する→起業」とある。これは、行動タイルの「資格を取得する」と「起業」の両方を達成することで実現できる。勝敗は、幾つかの要因で得た点数の合計で決まるが、目標カードのウェイトは大きいので、目標をいかに達成するかが、勝利へのカギとなる。
ゲームが始まると、各プレイヤーは順番に収入・時間(コインチップと時間チップで表される)の消費と引き換えに、手持ちの行動タイルから選んで、「今の年代でやってみたいこと」を実行する。そのほかの選択肢として、彼氏タイルを個人シートに配置する(結婚する可能性が生じる)、医療保険や生命保険を購入するなどがある。
その後で、イベントカードを引くことで、収入が上がったり、彼氏と別れるといった悲喜こもごもを体験するなどしてターン終了。1ターンは10年で、80代になる7ターン後がゲーム終了のタイムリミットとなっている。