観光バスによるツアーが進化している。夜行高速バスでは3列シートが一般化し、中には11席しかない豪華夜行バスも登場する中、パッケージ旅行商品のバスツアーでも豪華バスが続々と誕生しているのだ。新幹線のグリーン車や飛行機の上級クラス同様に、料金が高くても快適に旅行したいという需要は高い。
そういった声に対応すべく、各旅行会社やバス会社では3列シートかつ乗車定員が1台20名前後の豪華バスを使ったバスツアーを積極的に企画し、団塊世代を中心に人気を集めている。夜行高速バスの3列シートでは通路が2本で各座席がセパレートされているのが一般的だが、観光バスの3列シートでは2名参加者が多いことから、通路は1本で2名掛けと1名掛けの座席配置となっている。
そして、旅のテンションを上げてくれるのがデザインと居住性だ。阪急交通社やクラブツーリズムの豪華観光バスは、鉄道の車両デザインを手がける著名なデザイナーがプロデュースし、移動がより楽しくなる工夫が随所に見られる。また、はとバスのように車内はゆったりしていながらも料金を抑えて気軽に乗れるバスもある。さらに各社共通しているのがトイレの広さだ。移動距離も長いことから広々としたトイレを完備し、トイレは狭いという先入観を払拭するスペースで安心して乗れる。また、ブランケットやスリッパなども用意されているほか、電源や車内Wi-Fiも完備。豪華バスを使った観光バスツアーは日帰り、1~2泊、中には1週間以上のコースと豊富なラインアップになっている。
今年の夏は、ワンランク上のバス旅行を楽しんでみては。
乗り心地や快適さを最優先したシート
わずか18席のクリスタルクルーザー「菫」。JR東日本の豪華寝台列車「TRAIN SUITE 四季島」もデザインプロデュースした奥山清行氏が手がける。居住性を追求し、背もたれと座面は本革ではなくあえて上質のモケット生地を採用した。
■ 阪急交通社
〈人気ツアー〉クリスタルクルーザー「菫」で行く日本三大祭・京都祇園祭 「貴船川床」と長良川鵜飼 3日間/2泊3日:17万8000円~
東京駅出発で岐阜の長良川鵜飼、京都では川床料理と祇園祭「山鉾巡行」を桟敷席から鑑賞できる2泊3日のコース。旅行代金は17万円を超えるが、移動も含めて上質な時間を過ごせる。