肌寒いし、洗濯物は乾かない……うっとうしい梅雨が続いていますが、梅雨が明けて夏が来ても夕立ちや台風と、秋まで雨との格闘は続きます。そこで気になるのが、革靴のお手入れ。急な雨で濡れてしまった本革をほおっておいたら、シワになったりシミになったり。ビジネスマンたるもの、雨だからといって長靴で出勤するわけにもいかないし……。
そんな雨の日にまつわる靴の悩みをプロにぶつけてみました。お答えいただいたのは、靴磨きのノウハウを詰め込んだ「靴磨きの教科書 プロの技術はどこが違うのか」の著者、静孝一郎氏。「M.モゥブレィ」などオリジナルブランドの靴磨き商品を扱うR&Dの代表を務め、正しい靴磨きを広めるべく、日々、奮闘されています。
予防が大事
雨が降りそうな日はやはり、合成革靴を履くべきか聞いてみると、「雨が降っている日でも、本革靴は問題なく履けますよ!」と静氏。嬉しいお答えですが、ただし、履く前のひと手間とアフターケアが必要なのだそうです。
「前の日でもいいですし、履く30分前までに革靴用の防水スプレーをしっかりかけ、乾燥してから履きましょう。この時、靴が濡れていない状態でスプレーしてください。できれば、普段から、ひび割れ防止に汚れを取り栄養クリームを塗り込んでおく簡単なお手入れをしていただきたくといいですね。乾燥していると水分を吸収しやすくなってしまいます」とのこと。
大事なのはアフターケア
防水スプレーをかけただけで、かなり水をはじいてくれますが、問題は、帰宅後。染みてないし大丈夫……と、寝てしまうと靴にダメージが残ります。
「女性であれば化粧を落とさずに寝ると肌が荒れますが、それと同じでアフターケアをしないと靴の寿命が縮まります。そのままにしておくと雨染みができたり、塩分を含んだ汗が染み込んだまま放置するとカビてしまうこともあるのです」と静さん。それでは、濡れた靴の正しいアフターケアを解説しましょう。