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乗ってわかったプジョーの新型ハッチバック「508GT line」の○と×

2019.05.26

商品として魅力的か ★★★★☆ 4.5(★5つが満点)

 走りっぷり以外にも「508GT line」には美点がある。ドライバーインターフェイスを重視しているところだ。特に、メーターパネルで運転支援機能の働きを大きく表示しているのは、とても助かる。プジョーと同じグループに属するシトロエンやその高級ブランド「DS」各車も同様で、同じフィロソフィーに基づいているのだろう。

急速に多機能化&高機能化している現代のクルマで、その機能群を漏らさず活用するには、今までの考え方のインターフェースではカバーし切れない。大胆に改めないと、大切なものがドライバーに伝え切れない。

 その点、プジョーやシトロエン各車は時代の流れを見据えて行動を起こしている。その機敏な動きを日本車も見習って欲しい。また、そうした新しい機能のひとつであるLKAS(レーンキーピングアシスト)機能はすでに珍しいものではなくなっているが「508GT line」のそれにはひとつ独自機能が備わっている。LKASの設定時にボタンを押すと、レーンの中のどこを走るかまでを定めることができるのだ。ただ真ん中を走るだけでなく、右寄り、左寄りと設定できるから便利。

 しかし「508GT line」のドライバーインターフェースも完璧ではない。ナビ画面前のピアノキー風のスイッチは姿勢によっては上から覗き込むようにしないと良く見えないし、中身のロジックがわかりにくい。おまけに、日本仕様のナビもロジックがわかりにくく、画面のクオリティーが高くない。とは言っても、それらはCarPlay経由でGoogle Mapsを使えば良いわけだから、今後の改変に期待したい。

 この「508GT line」が459万円〜、同じパワートレインを搭載した標準仕様の「508 Allure」が417万円〜、2.0Lディーゼルを搭載した「508GT Blue HDi」が492万円〜。「508GT line」が価格以上の内容だったので、他のモデルもたぶんその通りだろう。ドイツ車ではないヨーロッパ車の中で大いに存在感を示している。まずは乗ってみて欲しい。すでにヨーロッパで発売されているステーションワゴンが遠くないうちに日本でも発表になるので、そちらも要チェックだ。

■関連情報
https://www.peugeot.co.jp/models/car-selector/508.html

文/金子浩久(モータージャーナリスト)

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