結婚を誓い合い、幸せの絶頂だったはずの2人。しかし、プロポーズが成功した全てのカップルがめでたく結婚できるとは限りません。中には、様々な事情で婚約を破棄してしまうカップルもいるのが現実です。
この記事では、結婚を誓い合ったカップルが婚約破棄に至る原因や、婚約を破棄したいと悩んでいる方が考えるべきこと、そして婚約を破棄されてしまった方が立ち直るためのヒントなどを紹介します。
定義はある?届け出は必要? 婚約破棄とは
そもそも婚約とは家族法でいう「婚姻予約」を意味する、契約の一種です。婚姻(結婚)は役所に届け出ることで成り立ちますが、婚約は口約束でも成立します。逆に言えば、婚約破棄も届け出は必要ありません。
婚約破棄するカップルの割合は?
婚約には手続きが必要ないため、集計が難しく、婚約の件数やそれが破棄された件数に関する公的なデータはありません。
参考までに国内の離婚率を見てみると、平成29年の離婚件数は21万2262件。婚約は離婚に比べると手続きのハードルが低いので、さらに件数が多い可能性が考えられます。
正当な理由なき婚約破棄は、慰謝料が発生することも
正当な理由もなく一方的に婚約を破棄したり、相手に過失がなく個人の都合で婚約を破棄する場合、破棄した側が慰謝料などの損害賠償を請求されることも。
支払う可能性が高いのは、慰謝料、結婚式場のキャンセル料金、婚約指輪の費用、結納/両家顔合わせにかかった費用などです。
婚約破棄の慰謝料の相場は?
婚約破棄は、後述するように様々な理由で行われます。婚約破棄の理由や、破棄された側の過失の有無、交際・婚約後の期間、妊娠の有無、周囲へ婚約を報告していたかなどなど……事情によって金額は大きく変動します。
気になる方は、弁護士に相談を。無料で相談できる弁護士事務所も数多くあります。
なぜ、こんなことに!? よくある婚約破棄の理由
婚約破棄に至る理由は様々ですが、以下のようなものがよくある理由です。
■マリッジブルー
■不貞行為(浮気)、相手がほかの人を好きになった
■価値観のズレ(金銭感覚、宗教など)
■隠し事(子持ち、離婚歴がある、借金、自己破産など)
■結婚話を進める上での喧嘩
■相手から暴力を受けた
■病気/性的不能者になってしまった
■相手の親・親族とソリが合わない
女性が婚約破棄を決断する理由で多いのは「男性の浮気」「マリッジブルー」
女性が婚約破棄を決める理由として多いのは「男性の不貞行為(浮気)が発覚した」。
また、「マリッジブルー」もよくある理由。のちほど触れるように、マリッジブルーが原因の婚約破棄は、あとから後悔する可能性も高いです。よく考えて決断する必要があります。
男性が婚約破棄を決断する理由で多いのは「女性のだらしなさ」「マリッジブルー」
結婚を真剣に考えると、今まで気にしていなかった価値観のズレや、今まで見えていなかった相手の残念な一面が発覚して、婚約破棄に至るケースも。
「一緒に生活してみたところ、相手に清潔感がないことがわかった」「料理が下手だった」「食べ方が生理的に無理」などは、男性が婚約破棄を決める理由として意外と多いのです。
些細なことのようにも思えますが、長い間結婚生活を共にする上で、これらの理由は致命的とも言えます。
また、女性同様「マリッジブルー」も理由として多いです。
親が原因で婚約破棄に至るカップルも多い
結婚すると、相手の家族や親戚とお付き合いする機会が多くなります。そのため「相手の親とソリが合わない」「親同士が合わない」など、親・親族関係が婚約破棄の理由となることも少なくありません。
また、「相手の親との同居を強要された」といった理由も挙げる方もいます。
婚約破棄の慰謝料請求には「証拠」があると良い
裁判を行う場合、裁判所は「2人の間に婚約が成立していたか」などを判断します。
婚約指輪や、結婚式場の予約・結納などが行われた事実がわかるもの、関係者の証言など、客観性の高いものは婚約の証明になりやすいです。
また、浮気や暴力など相手に明らかな過失がある場合は、その証拠をつかんでおくと役に立つでしょう。
婚約破棄したい時はどうすればいい? 破棄の方法と注意点
婚約破棄は、相手にその意向を伝えるだけで成立します。しかし、相手を傷つけるだけでなく自分自身もダメージを負いますし、お金がかかることもあります。
「どうして自分は婚約破棄をしたいのか」、まずは理由をよく考えることが大切です。自分の気持ちが整理できる上に、相手に破棄の意思を伝える時に感情的にならずに説明しやすくなります。
相手に婚約破棄の意思を伝える時は、できるだけ冷静に、誠実な対応を心がけましょう。
後悔してもあとの祭り! マリッジブルーが理由の婚約破棄はよく考えて行動を
一時の気の迷いで婚約を破棄して、あとで後悔するケースも。特に、マリッジブルーが原因の場合にこのような事態が起こりやすいです。
知人に相談したり、気分転換をしたり、結婚後にやりたいことを考えるなど、マリッジブルーの解消を試みてもモヤモヤした気持ちが晴れないようであれば、「結婚を延期する」という選択肢もあります。婚約破棄を決める前に、よく考えてみましょう。
婚約破棄したい女性は、指輪を返すのがベター
女性側の都合で婚約を破棄したい場合、婚約指輪は返したほうが良いでしょう。婚約指輪の費用の賠償を求められてしまうことがあります。
ただし、男性側に原因がある場合はこの限りではありません。双方に非がある場合は相手に確認しましょう。
婚約破棄されたショックから立ち直るには?
ある日突然「婚約を破棄したい」と告げられたら……なかなか気持ちの整理がつかないでしょう。
しかし「あの時、こうしていれば」と自分を責めることはやめましょう。同様に、相手を責めても余計につらくなってしまうかもしれません。
新しいことに挑戦したり、趣味に没頭したり、旅行に出かけたり、引っ越してみたり……環境を変えて、気持ちを切り替えるのがおすすめです。
しかし、元気なフリをしたり、無理に明るく振る舞う必要もありません。悲しみと向き合うのも、前を向くためには大切なことです。
いずれにしても、婚約破棄の傷は時間が解決してくれるはず。いつか「結婚する前で良かった」「“バツ”がつかなくてラッキー!」と思える日が来るでしょう。
小説や映画、漫画、音楽などでスカッとする方法もおすすめ
婚約破棄で傷ついてしまったら、小説や漫画を読んだり、映画を見たり、音楽を聴いてスカッとするのもおすすめです。
婚約破棄から立ち直る女性の姿に涙……映画『阪急電車 片道15分の奇跡』
有川浩さんのベストセラー小説を映画化した本作。阪急電車を舞台にいくつかのエピソードが繰り広げられていく心温まる作品で、特に中谷美紀さん演じる翔子が婚約破棄から力強く立ち直っていく姿が胸を打ちます。
小説投稿サイト「小説家になろう」の人気作『婚約破棄から始まる悪役令嬢の監獄スローライフ』
こちらは、日本最大級の小説投稿サイト「小説家になろう」で大人気の作品を書籍化した『婚約破棄から始まる悪役令嬢の監獄スローライフ』(著者:山崎 響、イラスト:鍋島テツヒロ、KADOKAWA)。身に覚えのない罪を理由に婚約を破棄主人公が、自由で愉快な監獄生活を過ごすというハイテンション・プリズンコメディです。
【参考】『婚約破棄から始まる悪役令嬢の監獄スローライフ』上巻(Amazon)
文/bommiy