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安心かつ確実に遺言書を作りたい人は「公正証書遺言」を選ぶべき理由

2019.05.26

 公正証書遺言とは、国家資格を持った公証人が遺言者の希望をしっかり聴き取りながら、作成してくれる遺言書です。相続に関する知識が乏しくても、公証人が必要に応じて助言を行いつつ進めてくれるので、安心して任せることができます。

遺言を書くのに使われる自筆証書遺言と公正証書遺言の違いとは?

 自筆証書遺言と公正証書遺言、どちらも民法により認められる遺言です。大きな違いは下記の表にあるように、自筆遺言証書は書くハードルは低く無料ですが、確実性に不安が残ります。遺言公正証書はそれなりの準備が求められ費用もかかるものの、信頼度が高いという考え方でいいでしょう。

 では、実際にどのくらいの数がそれぞれ遺されているのでしょうか?

 法務省が民間に委託した調査結果「我が国における自筆証書による遺言に係る遺言書の作成・保管等に関するニーズ調査・分析業務報告書」によると、公正証書遺言は2014~2016年の各年度で約10万~11万件。

 対する自筆証書遺言は、検認を受けた数として2014~2016年の各年度で1万7000件前後となっています。検認を受けていないものが相当数あるとしても、公正証書遺言の方を選ぶ人が多いようです。

遺言を公正証書にするために必要な書類は何?

 公正証書遺言を作成するための、最低限必要な書類は以下の通りです。

・遺言者本人の本人確認資料(印鑑登録証明書、運転免許証、住基カードなど顔写真入りの公的機関の発行した証明書)
・遺言者と相続人との続柄がわかる戸籍謄本
・財産を相続人以外の人に遺贈する場合は、その人の住民票
・財産の中に不動産がある場合は、その登記事項証明書(登記簿謄本)と、固定資産評価証明書又は固定資産税・都市計画税納税通知書中の課税明細書

*遺言者が証人を用意する場合は、証人予定者の名前、住所、生年月日や職業をメモしたものも必要です。

公正証書遺言で相続登記するのに必要な書類とは?

 遺言者(被相続人)名義の不動産がある場合、期限は限られていないものの、無用なトラブルを防ぐため、できるだけ早めに相続人への名義変更をすることが推奨されます。これを相続登記と呼び、手続きに必要な書類は公正証書遺言があれば簡素化することができます。

公正証書遺言の書き方

それではここで、公正証書遺言の書き方をご説明します。

公正証書遺言を自分で作成するには?

 公正証書遺言は、公証人が遺言者の希望を聴き取りながら(口述)して作成します。つまり、遺言者が自分で証書を書くことはありません。

 ただ、公証人の面前で自分の希望を伝える作業は原則1回です。自身の財産をしっかりリストアップし、要点をメモするなどの準備はしておきましょう。

遺言公正証書の見本

 法務省のサイトに作成例があります。こちらが参考になります。

公正証書遺言の作成費用は?

 自筆遺言証書と違い、公正証書遺言の作成は有料です。財産の価額に対応する形で次のような手数料がかかります。

*上記の手数料は、相続または遺贈を受ける人ごとに計算されます。
*全体の財産が1億円以下の時は、1万1000円が加算されます。(遺言加算)
*原本は4枚を超えると、1枚につき250円加算。正本、謄本は1枚につき250円。
*遺言者が動けず公証人が出張した時は、上記手数料が50%増。
*公証人の出張日当として、往復4時間以内なら1万円、それ以上は1日2万円+交通費が必要

実際の手数料はいくらになる?

 総額5000万円の財産を子どもAに3500万円、子どもBに1500万円相続させるケースだと、

価額に対する手数料 2万9000円(A分)+2万3000円(B分)
遺言手数料 1万1000円
合計 6万3000円+用紙代

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