日常生活にもはや欠かせない存在といえるiPhoneですが、毎日持ち歩いて酷使しておりますと、うっかり紛失したり、盗難被害に遭うことも。
一昔前のガラケーならば、電話機本体の中に入っているデータは電話帳くらいでした。しかしイマドキのiPhoneは、電話帳データだけでなく、写真やメール、クレジットカードやプリペイドカードなど、個人情報が山のように収まっているため、紛失後、ほかの人が拾ってしまって勝手に使われてしまったら、身に覚えのない請求が山のように来てしまったり、自撮りの恥ずかしい写真を全世界にばら撒かれてしまうといった、冗談ではない状況に陥ってしまう可能性が少なくありません。
大切なiPhoneを紛失あるいは盗難されて、被害に遭う前に……
そんな大切なiPhoneの情報を守るためには、どのような対策をするべきでしょうか?
Suicaやクレジットカード情報はどうやって守る?
iPhoneを紛失した、もしくは盗難された際、iPhone内に登録されている、Suicaやクレジットカード情報を勝手に使われない、もしくは見られないようにするにはどうすれば良いのでしょうか。それにはまず、あらかじめ「パスコード」を設定しておくことが肝腎です。
「パスコード」をセットしてさえいれば、Touch IDの指紋認証や、Face IDの顔認証で登録されていない他人が、いざ勝手にiPhoneをイジろうと思っても、コードの番号が分からない限り、手も足も出ません。ここは設定を面倒くさがることなく、あらかじめパスコード設定を行っておく必要があるでしょう。
【参考】Apple/iPhone、iPad、iPod touch でパスコードを使う
・iPhone X 以降
「設定」>「Face ID とパスコード」の順に選択。
・それ以前のモデルの iPhone
「Touch ID とパスコード」を選択。
・Touch ID に対応していないデバイス
「設定」>「設定」>「パスコード」の順に選択。
それぞれの機種で上記を選択後、6 桁のパスコードを入力します。「パスコードオプション」をタップして、4 桁の数字コード、カスタムの数字コード、又はカスタムの英数字コードに切り替えられますが、(4桁よりは6 桁の方がセキュリティを突破されにくいと思います)最後に、パスコードをもう一度入力して確定し、機能を有効にします。
パスコードの設定画面を順に下にスクロールしますと、「データを消去」という項目がありますので、これをオンにします。この状態で、10回パスコードを間違えますと、iPhone上のすべてのデータが消去されるようになり、さらにセキュリティが強化されます。
また、個人情報をiPhoneがペラペラしゃべらないように、「ロック中にアクセスを許可する」の項目で、最低でも「Siri」はオフにしておきます。これでセキュリティ対策の第一段階は完了です。
iPhoneの「紛失モード」の設定方法とは?
パスコードの設定を行うことで、iPhoneに一定のセキュリティ対策は行ったとはいえ、iPhoneを紛失・盗難した際、ロック機能が稼働するまでの短い時間の間に、誰かにこっそり操作されてしまったら、もうこれでアウトです。ちょっとiPhoneに詳しい人であれば、そんな短い時間の間でも、勝手に設定を書き換えたり、中にある情報を抜き取るのは造作もないことです。そこでさらなるセキュリティ対策が必須となります。
実はiPhoneには、さらに強固なセキュリティ対策を行える、「紛失モード」が備わっています。「紛失モード」を設定しますと、他人がちょっとやそっとじゃあ個人情報にアクセスできないようにすることができます。ちなみにこのモードにより、iPhoneの位置情報の変化が追跡可能になる優れものです。
iPhoneを「紛失モード」にすることで、
・画面にカスタムメッセージを表示できます。紛失したデバイスであることや、連絡方法、といった任意の情報を、画面上に表示させることができます。
・そのiPhoneではApple Payが無効となります。
「紛失モード」を設定するためには、iPhone側に、あらかじめ事前の設定が必要です。
「設定」→自分の名前の部分をタップ→「iCloud」をタップ→「iPhoneを探す」をオンにする
これで準備オッケーです。iPhoneを入手した時には、真っ先に行っておいた方が良い設定です。
【参考】Apple/すべてのデバイスで「iPhone を探す」を設定する
では、「紛失モード」を活用してみましょう。
PCで設定を行う場合は、最初に、iCloud.comにアクセスしてログインします。そして、「iPhoneを探す」をクリックします。もし、他にも同じApple IDで登録しているiPhoneを持っているならば、「iPhoneを探す」アプリを起動します。
ブラウザやアプリ上で、紛失したiPhoneを地図上で探すことが可能になります。
【参考】Apple/紛失したデバイスで「iPhone を探す」を有効にしていた場合
iPhoneを落とした場所がすぐ近くで、まだ誰にも拾われていなければ、地図の情報を頼りに、さっさと拾いに行くのも良いでしょうが、やはりその前に「紛失モード」を有効にしておきましょう。
「すべてのデバイス」をクリックして、「紛失モード」を有効にしたいiPhoneを選択したら、「紛失モード」をクリックします。ここで、ロック画面に表示させたい電話番号やメッセージを入力して、そのiPhoneに表示をさせることが可能です。
iPhoneの「紛失モード」の解除の仕方とは?
いざ、iPhoneの「紛失モード」を設定したのはいいのですが、様々な事情で、やっぱり紛失モードの設定を解除したい、なんてケースもままあります。そんな時はどうすれば良いのでしょうか?
「紛失モード」の解除をiCloudを経由して行うなら?
「iPhoneを探す」で、先ほど「紛失モード」を設定した手順を再度行いますと、今度は「紛失モードを停止」ボタンが表示されます。これをクリックすれば解除可能です。
「紛失モード」の解除は、iPhoneを操作して直接解除できるの?
こちらが一番簡単な方法です。見つかったiPhoneを起動させますと、いつもの通り、パスコードを入力する画面が表示されますので、ここでパスコードを入力することで、「紛失モード」が解除されます。
「紛失モード」の解除は、オフラインでも解除できるの?
「紛失モード」の設定や解除は、iPhone自体が「オンライン」である必要があります。携帯電波が入らない場所でも、Wi-Fiで繋がっていれば「オンライン」です。全く何の電波も入らない場所にあるか、ちょうど電源がオフになっていた場合は、再度オンラインになった時点で反映されます。
iPhoneの「紛失モード」で、本体の初期化はいったいどうやるの?
iPhoneを紛失した際、本体の中にとんでもない情報が入るため、もうどこに落としたのか分からなくなっても構わないので、今すぐiPhoneの中味を、全部完璧に奇麗に消去したい、と思うことがあります。そんな時のために、iPhoneには本体を初期化する機能があります。
iCloud.comや「iPhonerを探す」アプリで、「紛失モード」を設定する手順同様の操作を行う際、紛失モードのアイコンの隣にある「iPhoneを消去」と書かれているゴミ箱アイコンをクリックしますと、iPhoneのデータを消去するかどうかを問い合わせてきますので、もう初期化やむなしと覚悟を決めたならば、「消去」をクリックすれば初期化されます。
その時点でiPhoneがオフラインであれば、次回オンラインになった際に初期化が適用されます。リモート消去後のiPhoneは、「アクティベーションロック」がかかったままで、再利用可能にするためには、元々設定されたApple IDとパスワードが必要になりますので、そのiPhoneを他人には操作できません。