豊かな自然に恵まれた山々を軽やかに走る列車たち。JR東日本・JR東海で活躍する魅力的な車両たちをご紹介しよう。
ワイドビューふじかわ
身延線、東海道本線を経由し、静岡と甲府を結ぶのが「ワイドビューふじかわ」だ。身延線は特急名にもなっている富士川沿いを走ってはいるものの、実は一度も富士川を渡らず、「ふじかわ」も富士川を渡るのは東海道本線に入ってからになる。「ふじかわ」に使用される373系は通常のリクライニングシートのほか、セミコンパートメント席もあり、大きなテーブルもあるのでグループ旅行に最適だ。
くねくねと富士川に沿って静岡県を北上し山梨へ縦断する「ふじかわ」は静岡県内では随所で富士山を車窓から眺めることができる。甲府盆地に入るとのちに富士川に合流する写真の笛吹川橋りょうを渡り、終着の甲府駅に到着する。
HIGH RAIL1375
その列車名にある通りJR最高標高の1375m地点を通過する「HIGH RAIL1375」。2両編成の車内は高原の車窓を眺めやすいように窓側を向いた座席やグループ旅行に最適なBOXシートなど、バライティー豊かになっている。全席指定なので乗車券の他にみどりの窓口などで購入できる指定券が必要。土休日を中心に運転されており、夜間に運転される「HIGH RAIL星空号」では途中の野辺山駅で星空の鑑賞会が行われる。空気の澄む今のシーズンにぜひ乗りたい列車だ。
2号車にある「ギャラリーHIGH RAIL」では天文関連の書籍が楽しめるほか、半球型のドーム天井には星空が映し出され、車内にいながら天体観測ができる。1号車には物販カウンターもあり列車のオリジナルグッズが購入できる。
しなの
「しなの」は名古屋と長野を中央本線と篠ノ井線を経由して結ぶ特急で、その走行区間の多くが旧街道中山道沿いを走る。山間を走ることからカーブが多く、曲線でも速度を落とさずに走行するための制御付き振り子式と台車がカーブに合わせて舵を切る操舵台車を採用している。長野方には前面展望も楽しめるパノラマタイプのグリーン車が連結されている。運転本数も多く、JR東海の在来線特急の中でも代表的な特急列車だ。
塩尻以西の中央本線沿線には旧宿場町も多く、写真の奈良井宿のように風情ある町並みの中を「しなの」は走る。標高が高い箇所もあり、四季を通して季節を感じることのできる風景が広がる。
撮影・取材・文/村上悠太
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※データは2018年12月現在です