首都圏は鉄道ネットワークが整備され、新幹線も多く乗り入れるが、まだまだ在来型の特急車両も多く活躍する。また、東京駅には日本で最後となった定期寝台列車も発着。JR東日本を中心に活躍する個性的な特急を紹介したい。
あずさ
2017年より運転を開始したE353系は、これまでの中央本線特急列車よりも快適性を大幅に向上させたJR東日本の最新特急車両だ。カーブの多い山間部を高速で通過できるように空気ばね式車体傾斜装置を搭載し、乗り心地と速達性を両立。2019年3月からは「あずさ」「かいじ」の全列車がE353系に置き換わり、さらに一部の「かいじ」には大月から富士急行線に直通する新しい特急「富士回遊」を併結し、富士山観光へのアクセスがさらに向上する。
普通車でも全席コンセントに可動式まくら、個別の空調吹き出しと快適設備が満載のE353系。大きな荷物置き場も車端部に設置されている。また、各デッキには防犯カメラも設置し、セキュリティー面も向上している。
サンライズエクスプレス
普通に切符を購入して乗車できる国内唯一の寝台特急「サンライズエクスプレス」。東京と高松を結ぶ、「サンライズ瀬戸」と、出雲市を結ぶ「サンライズ出雲」が毎日運転されている。個室主体の客室で、最高級のシングルデラックスをはじめ5種類の寝台個室のほか、ノビノビ座席というリーズナブルなカーペット敷きの車両もある。東京行の場合、大阪駅を深夜に出発するので関西から東京に帰る最終手段として隠れた人気もある。
この列車で最も部屋数の多い「シングル」。1階室と2階室があり、夜空を楽しむならもちろん2階室がおすすめ。コンセント、ハンガー、鏡などもある。有料のシャワー室を利用する際は予め乗車前にタオルを用意しておこう。
スーパービュー踊り子
JR東日本の元祖リゾート車両とも呼べる「スーパービュー踊り子」は、展望を重視した設計が特徴だ。湘南、伊豆の海岸線を楽しみながら都心と伊豆急下田を結んでいる。ダブルデッカー車両やこども室、グリーン車用サロンといった設備もリゾート車両ならでは。ただ、伊豆への新型観光特急の開発が発表。斬新なデザインであまり気付かないが実はデビューから間もなく30年が経ち、この車両もそろそろ去就が気になるところではある。
ダブルデッカーグリーン車の2号車の1階には定員4名のグリーン個室がある。実はこの部屋、4人で利用すると普通車指定席から少しの追加料金で利用出来るお得席なのだ。グループ旅行ならぜひ利用してみてほしい。
成田エクスプレス
池袋・新宿・東京など都心ターミナル駅はもちろん、大船や富士山観光への玄関口となる河口湖などとJRが持つ広い沿線ネットワークを活かして成田空港アクセス特急として活躍する「成田エクスプレス」。車両は2代目のE259系で運転されている。スタイリッシュなロゴマークが特徴で空港アクセス特急らしく高頻度運転も実施されている。2編成を連結し12両編成で運転され、東京駅から行き先別に分かれて運転される列車も多い。
グリーン車は本革張りシートを採用した豪華仕様で、海外からやってきた訪日利用客にインパクトを与える。また、大型の荷物棚にはダイヤル式チェーンキーも備えており、防犯カメラと合わせてセキュリティも万全だ。
撮影・取材・文/村上悠太
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※データは2018年12月現在です