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今後、印材はどうなる?知っておきたい印鑑の象牙問題

2019.04.24

普段、何気なく使っている印鑑。上等な印鑑の素材といえば「象牙」というイメージがあるが、近年は世界的に問題になっている。この象牙問題の理解を深めるためのプロジェクトの紹介と共に、象牙に代わる印材や日本ならではの印材についても紹介する。

日本で使われている印鑑の素材

現在、日本では、印鑑の素材、印材はどのようなものが使われているのか。

「印鑑入門」(保育社刊)によると、実用印の素材は材質によって、「牙印材」「木材印材」「角印材」「石印材」「金属印材」「人工印材」などがあるという。

このうち、実印に広く使われているのが、象牙などの牙印材、水牛などの角印材、薩摩本柘や白檀(びゃくだん)などの木材印材、チタンなどの金属印材だ。

かつては牙印材の「象牙」が高級な材質といわれてきた。

牙印材には、鯨の歯で作ったものもあり、希少さなどから高価とされるが、同著でも「象牙は掘りやすく、印面が美しいので、印の中で最上とされる」と書かれている。また、欠けない長所もあるそうだ。

しかし、この象牙は、アフリカゾウの密猟と象牙の違法取引によってその個体数を大きく減らした時期があることを受けて、1989年、ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)の締約国会議で、象牙の国際取引は原則禁止となった。これにより、販売を終了した印鑑業者も多い。

日本は世界最大の象牙販売国

動画「Hankograph」より

1989年、象牙の国際取引は原則禁止となった後、日本の象牙市場は大幅に縮小したとされるが、そのうち象牙の印鑑が生産量の約80%を占め、次いで10%は伝統楽器部品の製造だという(※)。

※参照:TRAFFIC「Setting Suns: 日本における象牙および犀角の市場縮小の歴史」

日本においてはまだ象牙販売は合法であることから、事実上の世界最大の象牙販売国と位置付けられているといわれる。日本は世界から象牙国内取引の閉鎖を強く求められているという。

そんな中、環境保全団体 WILDAIDがあるプロジェクトを発足させた。象牙問題の真実を伝えるプロジェクト「Hankograph(ハンコグラフ)」は、ムービー・特設サイトを通じて署名を募る。

動画の目的は、象牙捕獲のために多くのアフリカゾウが密猟され続けている現状と、その残虐さを伝えるため。

“印鑑の残虐性を、印鑑によって伝える”をテーマに、すべて印鑑によって制作されたアニメーションになっている。

動画「Hankograph」より

アカデミー賞にノミネートされた『頭山』などで知られる世界的アニメーション作家、山村浩二氏が担当。

サバンナを悠々と歩くアフリカゾウが、象牙捕獲のために銃で狙われた後に、生きた状態のまま顔面を削り取られ牙を奪われる残虐かつリアルな光景が描かれている。

アニメーション作家 山村浩二氏から、次のようなコメントをもらった。

「印鑑の直径が21mmだったので、その小さな面積で描けることの判断と、そしてその組み合わせを連続的につなげて、的確にストーリーを伝える展開を考えるのが一番の挑戦でした。また漢字で『象』『銃』と表し、『象』の文字が欠けることで、残虐な行為を直接的に描かずに暗示させるなど、印鑑の素材の特性を活かす表現を工夫しました。少しでも多くの方に問題意識が芽生えるきっかけになれば幸いです」

制作には、500本の木材印鑑が使われ、2,400枚の紙に押印し、一枚ずつ撮影して映像化したという。

撮影に使われた全印鑑500本(木材印鑑)

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