特殊な縞模様を見るだけで視力改善
写真・イラストをながめたり、ツボ押ししたりなど、視力改善のセルフケアは、世の中にはたくさんある。しかし、科学的に本当に効果があると証明されている方法は、1つしかないという。
それが、「ガボール・パッチ」という、特殊な縞模様を見る方法。ガボール・パッチとは、ガボール変換という数学的な処理を行うことでできる模様で、ノーベル物理学賞を受賞したデニス・ガボール博士が考案した。
これを使って視力を改善するには、散りばめたガボール・パッチが印刷された紙をながめ、形状が同一のガボール・パッチを見つける作業を繰り返す。「ガボール・アイ」と名付けたこのメソッドを普及しようとしているのが、眼科医で昭和大学兼任講師も務める平松類医師だ。
平松医師の著書『1日3分見るだけでぐんぐん目がよくなる! ガボール・アイ』(SBクリエイティブ)には、ページごとに様々な大きさ・配列・個数のガボール・パッチが載っており、1日1ページのトレーニングを続けることで、近視や老眼(理論的には遠視や乱視も)が改善されると説く。
百聞は一見にしかずというわけで、以下に2例を掲載するので試してほしい。やり方は、たくさんあるガボール・パッチの中から好きなものを1つ選び、それと同じものを探す(1つだけとは限らない)。全部見つけたら、他のガボール・パッチについても同じことを繰り返す。3分間これを続ければOKだ。
ガボール・アイ【1日目】のトレーニング
ガボール・アイ【12日目】のトレーニング
1日3分、1か月で効果を体感
この3分間トレーニングを日々続けることで、おおむね4週間経ったあたりから、視力の改善効果を実感する人が多いという(本書では4週間分=28ページのガボール・パッチのバリエーションを掲載)。本書の冒頭に記された体験談を読むと、老眼だった視力が0.6→1.0にアップしたという女優の沢田亜矢子さんに始まり、77歳で両目が0.2改善したシニアの男性や、近視だったのが1.2に回復した40代の女性など、それほど長い期間を要さず、まさに目に見える効果を体感している。
半信半疑であった筆者(老眼2年生)も手ごたえを感じているこのメソッド。興味がわいたら、トライしてみてはいかがだろう。
平松類医師 プロフィール
愛知県生まれ、東京育ち。昭和大学医学部卒業。医学博士。昭和大学兼任講師、二本松眼科病院、彩の国東大宮メディカルセンター、三友堂病院で眼科医として勤務。緑内障、白内障など専門性の高い内容から、視力回復、眼精疲労の解消、目をきれいにする方法や充血を解消する方法まで熟知。テレビや新聞などメディアでの出演・執筆多数。著書は15万部突破の『老人の取扱説明書』、『認知症の取扱説明書』(SBクリエイティブ)、『老眼のウソ』、『その白内障手術、待った! 』、『緑内障の最新治療』(時事通信社)など。
文/鈴木拓也(フリーライター兼ボードゲーム制作者)