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オリジナル10から54クラブへ!地域密着を目指した平成のJリーグを振り返る

2019.04.28

Photo:Etsuo Hara/Getty Images

「スポーツを愛する多くのファンの皆様に支えられまして、Jリーグは今日、ここに大きな夢の実現に向かって、その第一歩を踏み出します」

常勝軍団鹿島を生んだきっかけ

 93年5月15日、東京・国立競技場。川淵三郎チェアマン(当時=現日本サッカー協会相談役)の開会宣言によって、Jリーグは華々しく幕を開けた。ヴェルディ川崎(V川崎、現東京V)対横浜マリノス(現横浜F・マリノス)の開幕戦は、V川崎の外国人FWマイヤーが先制。1-0でリードしたが、後半に入って横浜のエバートンが同点弾を叩き出し、元アルゼンチン代表FWラモン・ディアスが2点目をゲット。2-1で横浜が逆転勝利を飾った。

 初年度に参戦したのはこの両者と鹿島アントラーズ、ジェフユナイテッド市原(現千葉)、浦和レッドダイヤモンズ、横浜フリューゲルス(98年に横浜マリノスと合併)、清水エスパルス、名古屋グランパスエイト、ガンバ大阪、サンフレッチェ広島のオリジナル10。毎節5試合しかないため、入場券がプラチナチケット化し、当時まだ別の仕事に携わっていた自分もJ元年はスタジアム観戦が一度も叶わなかった。

 閑古鳥が鳴いていた80年代の日本サッカーリーグ(JSL)を知っている分、当時の凄まじい盛り上がりには面食らった。そのサッカーバブルを目の当たりにし、幼少期からサッカー好きだった筆者は「何とかサッカーの仕事に潜り込みたい」と一念発起。93年12月に創刊した夕刊紙に転職し、記者の仲間入りを果たした。94年にはV川崎の本拠地・等々力競技場やマリノスとフリューゲルスの本拠地・三ッ沢球技場に通えるのが夢のようで、本当に楽しかった。ところが、その転職先がわずか半年で倒産。サッカー界にどうしても残りたかったため、次の転職先を断ってフリーライターになることを決意した。紆余曲折を経て、25年が経過した今もコツコツとスタジアム通いを続けている。

 四半世紀の間には印象深い出来事が数多くあった。まずは頭に浮かぶのが、94年1月に国立で行われたJ元年のチャンピオンシップ。初戦を0-2で落とした鹿島は追い込まれた。その2戦目でアルシンドが1点を挙げ、あと1点でタイに並ぶという状況で、鹿島はV川崎にPKを与えてしまった。判定に激高した神様・ジーコ(鹿島TD)が主審に激しく詰め寄り、ボールに唾を吐きかけるという愚行に及び、退場を命じられたのだ。結局、試合は1-1で終わり、V川崎が優勝。カズ(三浦知良=横浜FC)がMVPに選ばれた。力のある両者の激突だっただけに、ジーコの行動が悔やまれた。が、その後の鹿島が常勝軍団となったのは、貪欲に勝ちにこだわる神様のメンタリティがDNAとなったからだろう。

 カズやラモス瑠偉(ビーチサッカー代表監督)らスターを揃えて一世を風靡したV川崎が親会社の読売新聞社や日本テレビの撤退によって弱体化したのとは対照的に、鹿島は常勝軍団の道をひた走っていく。98年フランスワールドカップ(W杯)の日本代表に秋田豊、名良橋晃(解説者)、相馬直樹(町田監督)を送り出したのを皮切りに、これまで6回のW杯全てで主力級の選手を出しているのを見ても分かる通り、鹿島にはつねに最高のタレントが集まってきた。その成果が2018年アジアチャンピオンズリーグ(ACL)含む主要タイトル20冠だろう。

 オリジナル10の中で、一度もJ2に落ちたことがないのは鹿島と横浜だけ。しかしながら、横浜は2004年を最後にJリーグ制覇から遠ざかっている。彼らより後発組のジュビロ磐田も2000年代前半に黄金期を築いたものの、近年はJ1残留ギリギリという苦境にあえいでいる。2010年代に広島も3度のタイトルを獲得しているが、鹿島の安定的な戦績はやはり特筆に値する。彼らのような模範的なクラブが存在し、Jリーグをけん引したことは、非常に大きな意味を持つ。

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