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最大2500万円まで利用可能!相続時精算課税制度なら贈与が相続になるって本当?

2019.04.24

生前贈与を活用して相続の準備をすることができます。ただし、非課税の上限が決まっていて、高額の贈与は税金が高くなるイメージがあるかもしれません。

しかし、相続時精算課税制度を活用すれば、まとめた額を生前に贈与し、後に相続で納税することも可能です。

ここでは、相続時精算課税制度についてわかりやすく解説していきます。

相続時精算課税制度とは

財産を人に譲る方法には、死亡による相続と、生前の贈与があります。いずれも課税の対象となり、税率は相続よりも贈与の方が高くなります。ところが贈与は年間110万円以下なら非課税になるため、この範囲内で上手に財産を分けていくのが一般的な節税方法といわれています。

一方、相続時精算課税制度は2500万円までなら「一時的に課税の対象から外してもらえる」制度です。一挙に2500万円でも、何回かに分けての贈与でも同じです。ではいつ課税されるのでしょう?

 それは贈与者が亡くなった時で、その時の残りの財産と、それまで贈与された額を合わせて相続税の計算を行います。ただし、贈与が2500万円を越えた分には一律20%が課税され、贈与を受けた翌年に申告納税をしなければならない手間がかかります。

この制度を利用できるのは、

贈与する側 60歳以上の父母、または祖父母
贈与される側 20歳以上の子や孫

に限定されています。要するに親子関係がないとできない制度ということです。

【参考】法務省

相続時精算課税制度のメリットとデメリット

メリットは一時的に大きな額を贈与することができる点です。財産の総額が相続税の基礎控除額以内に収まるのであれば、2500万円以下の贈与に抑えている限り、通常の相続と結果は同じ。毎年110万円以下に分けて相続させ節税する手間が省けます。

デメリットは、相続時精算課税制度を利用すると、二度と元に戻せないことです。年間110万円まで非課税の贈与(暦年贈与)が使えなくなり、前述のように2500万円を超えた分は翌年に20%の贈与税がかかります。また、複数年に分けて贈与があればその都度申告しなければなりません。申告期日も厳しく指定されています。

相続時精算課税制度の申告と必要書類

この制度を選択するには、受贈者(贈与を受ける人)が贈与を受け始めた翌年に、納税地の所轄税務署長に対して、「相続時精算課税選択届出書」を贈与税の申告書に添付し、提出しなければなりません。さらに次の書類も必要です。

・受贈者の氏名、生年月日。贈与者の推定相続人であることを証明する書類→戸籍謄本または抄本
・受贈者が20歳に達した時以後の住所又は居所を証する書類→戸籍の附票の写し
・贈与者の氏名、生年月日。60歳に達した時以後の住所または居所を証する書類→住民票の写し

相続時精算課税制度の申告時期

 申告期間は限られており、贈与を受けた年の翌年、2月1日から3月15日までです。

相続時精算課税制度 申告書 書き方

 申告書は税務署、または下記のサイトで手に入ります。2枚目に書き方の案内もあります。

【参考】国税庁

相続時精算課税制度の計算

相続時精算課税制度を利用すると、開始から贈与者が死亡するまでの間に贈与された財産のうち、2500万円までなら相続時に合算して相続税として計算されます。2500万円を超えた分はその都度、翌年に申告し20%の税金を払わねばなりませんが、贈与者が死亡した時の相続税と相殺できます。

例1)4000万円の財産のうち2500万円を贈与された場合の計算方法

贈与者の死亡時に、合算して4000万円の相続を受けたとして計算され、相続人が贈与を受けた1人だけなら、

(4000万円-3600万円(基礎控除))×所得税(10%)=40万円
*税金の支払いは40万円

例2)4000万円の財産のうち、最初に2500万円、翌年に500万円を贈与された場合の計算方法

2500万円を超えた500万円は贈与税となり、贈与を受けた翌年に一律20%がかかる。

500万円×20%=100万円

その後、贈与者の死亡時に総額4000万円の相続をした計算になり、

(4000万円-3600万円(基礎控除))×所得税(10%)=40万円
*40万円の税金がかかることになるが、すでに100万円支払っているので差引され、60万円が還付される。

相続時精算課税制度による相続税申告

相続時精算課税制度を選択した場合、その贈与者が亡くなったときは贈与を受けた財産を相続財産に加算して相続税の計算を行います。結果、相続税の基礎控除だった場合は、申告の必要はありません。

【参考】国税庁
*相続時精算課税を選択する贈与税の申告書に添付する書類は上記を参考にしてください

相続時精算課税制度で申告漏れ・申告忘れがあったら

一旦相続時精算課税制度を選択すると、取消すことができないうえ、翌年以降にわずかでも贈与があれば、必ず期限内(贈与を受けた翌年の2月1日~3月15日まで)に申告しなければなりません。

申告漏れなどがあった場合は、その分の贈与が総額で2500万円以下の場合でも20%の贈与税に加え、延滞税や無申告加算税も課税されます。

相続時精算課税制度を選択後、相続放棄はできる?

結論からいうとYesです。このケースで多いのは、相続する段になり贈与者が債務超過になっていたことを知り、放棄するというパターンです。

ただし、最初から債務超過を知っていて、意図的に負債の返済を免れるための生前贈与を行っていた場合は、債権者からの「詐害行為取消権」により訴えらます。

相続時精算課税制度は孫も対象だが注意点も

20歳以上なら孫でもこの制度を利用できると紹介していますが、孫は原則として相続税の計算時は2割加算となります。

【参考】国税庁

相続時精算課税制度を利用した土地・不動産の贈与

相続時精算課税制度は、現金のほか、土地や建物などの不動産も対象となり、評価額は贈与を受けた時が基準です。

相続時精算課税制度で土地の贈与をする場合

土地の評価額は毎年変わります。贈与時に1000万円だったものが、相続時(贈与者の死亡時)に3000万円になっているケースもあります。このようなケースでは、相続時精算課税制度は贈与時の額で計算されます。ということは、値上がりが見込める土地の相続が有利に進みます。

相続時精算課税制度と不動産取得税の関係

この制度を利用して不動産を取得すると、通常の相続でかからない不動産取得税(固定資産税評価額×4%)が発生します。

相続時精算課税制度と住宅

まだ支払いの残っている住宅ローンが1000万円あり、それを親の資金で返済する時も相続時精算課税制度を使うことができます。住宅ローンの残債1000万円+新しく購入する一戸建ての資金補助1500万円という使い方も可能です。

なお、2021年末までの特例として、贈与者が60歳未満でも相続時精算課税制度を利用して自己の住宅取得等資金のための金銭を取得するもあります。

【参考】国税庁

相続時精算課税制度と小規模宅地等の特例は併用できない

ただし、小規模宅地等の特例は対象外になるので注意が必要です。

【参考】国税庁

文/西内義雄(にしうち・よしお)
医療・保健ジャーナリスト。専門は病気の予防などの保健分野。東京大学医療政策人材養成講座/東京大学公共政策大学院医療政策・教育ユニット、医療政策実践コミュニティ修了生。高知県観光特使。飛行機マニアでもある。JGC&SFC会員。

※データは2019年4月中旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。

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