台湾、タイ、ベトナム、日本、世界各地で盛り上がる「ランタン祭り」の魅力

世界で開催されているランタン祭りは、花火やイルミネーションで彩られたり、ランタンを飛ばしたり、クラトンを流したりと各場所それぞれに特徴があります。中には有名映画のワンシーンのモデルになったともいわれている場所があり、話題を集めました。世界のランタン祭りだけでなく、身近に感じることができる、日本でも開催されているランタン祭りがあるのでご紹介します。

台湾では1990年からスタート！　各所のランタン祭りをご紹介

台湾では、「台北フェスティバル」が1990年に開催されて以来、ランタン祭りが国内各地で催される祝賀イベントへと浸透し、現在では台湾フェスティバルとしてスケールの大きな観光イベントに発展しています。ランタン祭りは、台湾国内だけでなく、様々な場所で開催されるようになり、タイやベトナム、日本でも開催されています。ここでは、世界各地のランタン祭りについてご紹介します。

現在も革新を続ける台湾のランタン祭り

写真提供:台湾観光局

2019年2月19日〜3月3日で開催された第30回台湾フェスティバルでは、初めて、観光局と県政府と民間企業が共同で開催しました。

伝統を受け継ぎながら新たな革新を、という意味を込め、例年メインランタンのデザインは干支でしたが、今回は東港のクロマグロをモチーフにし、干支はサブランタンに採用されました。

また、メインランタンは祭りの後にも引き続き設置され、大鵬湾のランドマークとなっています。

2019年は特別に、米･インテル社によるドローンを使用した空中ライティングショーも行われました。（毎年行われているわけではありません。）

このように、台湾ランタンフェスティバルは、年々盛り上がり続けています。

写真提供:台湾観光局

台湾の旧正月に十分平渓で行われる「平渓天燈祭」といわれる天燈上げ（ランタン飛ばし）とは違いますのでご注意ください。

【参考】台湾観光局公式HP

有名映画のモデルにもなったランタン祭り|タイのロイクラトン祭り

写真提供:タイ国政府観光庁

タイ全土で行われる「ロイクラトン祭り」は、陰暦12月（新暦10月〜11月頃）の満月の夜に行われる仏教のお祭りで、毎年開催されています。中でも、チェンマイで行われるコムローイ上げは、とある有名映画の中でランタンをあげるシーンのモデルになったといわれ、話題を呼びました。

写真提供: タイ国政府観光庁

陰暦12月の満月の夜に、水の精霊に豊作の感謝を捧げ、罪や汚れを水に流し魂を清めるために、バナナの葉や紙で作ったクラトン（灯籠）を花やロウソクで飾り、水面に流すお祭りも、タイの各地で開催されています。

【参考】タイ国政府観光庁公式HP

H3)日本の面影を残すベトナムのホイアンランタン祭り

1999年に世界文化遺産に認定されたベトナム中部に位置するホイアンは、16世紀頃、日本人が朱印船貿易で多く訪れ、日本人町が形成されていました。

日本が鎖国したことにより日本人町は消滅しましたが、今も来遠橋（日本橋）や、300年程前に建てられた木造や石造りの建物から、古き良き日本の面影が見えます。

毎月満月になる旧暦の14日に開催される「ランタン祭り」。街中がランタンで彩られ、灯籠流しも行われます。毎月行われていますが、現地事情により日程が変更となることもあるので、必ず事前に確認することをおすすめします。

【参考】DTACベトナム観光情報局公式HP

2019長崎ランタン祭りは15000個の提灯で100万人を魅了した

写真提供:長崎県観光連盟

1987年（昭和62年）に長崎新地中華街の人たちが開始した、中国の旧正月（春節）を祝う行事「春節祭」。1994年に規模拡大し、長崎の冬の一台風物詩として全国的に知られるようになり、現在では15日間の開催期間中に100万人超えの人が訪れ、約1万5000個の極彩色のランタン（中国灯籠）と様々なオブジェが飾られる「長崎ランタンフェスティバル」に発展しています。

新イベント「スカイランタン」は出島の夜空にランタンを浮かべたり、一瞬にして仮面が次々と変わる「中国変面ショー」や「媽祖行列」などのパレードも開催されています。

【参考】長崎市公式観光サイトHP

長崎ランタンフェティバルのメインイベント|皇帝パレード

写真提供:長崎県観光連盟

中央公園から湊公演まで豪華な中国衣装を身にまとい、御輿を担いで練り歩きます。

清朝時代の皇帝･皇后が、新年を民衆とお祝いした様子をイメージしたパレードで、2019年には皇帝役にJリーグ V･ファーレン長崎 監督の手倉森 誠さんが出演したり、長崎出身の元乃木坂46メンバーの川後陽菜さんが皇后役で出演しています。

長崎ランタンフェスティバルの宿泊ツアーはいつ予約すればいい？

長崎ランタンフェスティバルの開催期間は、旧暦の1月1日（春節）から1月15日（元宵節）の15日間です。現在決まっている開催予定日をご紹介します。

･2020年:1月25日（土）〜2月8日（土）
･2021年:2月12日（金）〜2月26日（土）
･2022年:2月1日（火）〜2月15日（火）

上記の日程で開催予定です。ツアーや宿泊の予約の参考にしてください。

15日間の間に開催されているイベントは、日によって違いますので、見たいイベントがある方は、確認してから予約することをおすすめします。

ベトナムに似ている？　富山県滑川市で開催されるランタン祭り

長崎以外でも、日本で開催されるランタン祭りで有名なものがあります。富山県のランタン祭りです。

ベトナムの世界遺産「ホイアン」に似ていることがきっかけとなり、2010年初開催された「ベトナム･ランタンまつりin滑川」。現在では、1万人規模のお祭りに発展し、ベトナム人関係者も増え、国際交流の場になっています。

旧宮崎酒造周辺に飾られる300個のランタンや、ベトナム民族音楽コンサート、ベトナムの民族衣装「アオザイ」の試着体験などのイベントが開催されています。

【参考】富山県滑川市公式HP

元々はお祝いや豊作の感謝だった現地の人たちのランタン祭りは、SNSの発展や映画のワンシーンに使用されたことで、身近なイベントとなり、訪れる方が増え、規模を拡大しています。世界中で開催されているランタン祭りに一度、訪れてみてはいかがでしょうか。

文/Sora