■連載/大森弘恵のアウトドアへGO!
10年以上変わらず使用できるロングライフ設計も
いつものクルマのルーフがベッドスペースになるルーフテントが注目されている。ルーフテントの魅力は3つ。テントを常備しているのでその分、遊び道具を載せられること。テントの設営やシートアレンジの手間をかけることなく、きちんと身体を休める場所ができること。そして、車両を変えても装着できることだ。
60年前にイタリアで生まれ、今もメイド・イン・イタリアにこだわり続けるジフェル・イタリア社のルーフテント「オートホーム」の製品を日本に紹介している「ジファージャパン」によると「イベントで展示・販売をしていると、20年前にビルダーを通して取り付けたルーフテントを、今も使っているよと声をかけてくれるお客さまがいます。ベースキャリアに載せて専用金具で固定するだけなので、作業は20〜30分程度。クルマへ固定するわけではないので、クルマを買い換えても載せ替えて使っている方は多いようです」(飯田謙一郎さん)。オートホームの場合、国際的な第三者機関であるテュフ ラインランド社の認証を取っているほか、BMW基準の耐久テストや安全性テストをクリアし、MINIクロスオーバーの純正アクセサリとして採用されていることからも、その質の高さをうかがえる。
オートホームのルーフテントの場合、カップルサイズで28万800円(税込)〜、親子4名で眠れるファミリーサイズは42万1200円(税込)〜。キャンプ用テントと比べると高額に思えるが、高品質なルーフテントを選べば、何年も変わらず使えるのでコストパフォーマンスは悪くない。
シェル型とテント型どちらを選ぶ?
ルーフテントには、ルーフボックスのようにシェルで包まれていて、片側または両側を持ち上げてテントにする「シェル型」と、ロッジ型テントに似たデザインの「テント型」がある。
テント型
ルーフテントの元祖とも言うべきテント型。砂漠でこのテント型を展開している写真を一度は見たことがあるだろう。
設営は、防水カバーをはずし、片側に引き出すようにするだけでいいものが多く、ルーフの前後幅が狭めのクルマ向き。クルマによってはルーフの半分のスペースで収納できるためカヌーや自転車など大型の道具も持ち運びたい人にも対応する。
収納したとき、ルーフの上に四角く収まるので走行時に抵抗を感じやすくなることも、注意したいポイントだ。
シェル型
シェル型は寝袋など小さなモノであればテントの中に入れたまま運べるという利点がある。設営方法は、ハンドルを回して持ち上げるタイプと、ダンパーで自然に持ち上げられるものがある。ルーフテントの簡便さを追求するなら断然ダンパー式だ。ルーフボックス同様、流線型のデザインで燃費に考慮したものが多いことも有利。
ただし、ルーフが狭いクルマにシェル型を載せるとリアゲートをあげられなくなる場合があるので注意したい。
片側を持ち上げる三角形のシェル型ルーフテント。片側のみ立ち上げればOKで、ワンアクションの設営・撤収ができるのが特徴だ。ロックをはずすのは片側のみなのでハイエースなど背が高いクルマに向いている。片側が低いのが気になるが、反対側が大きく開くので無理なく着替えができるほどゆったり。また、写真のコロンブスはクルマのリア側に大型パネルがあるので、リアから乗り込むこともできる。
両側を持ち上げてボックスのようになるシェル型ルーフテント。これならどちら側に座っても圧迫感はない。前後にロックがあるので、比較的背が低めのクルマ向き。