毎月決まった金額を支払うことで、金額以上の商品の利用ができるサブスクリプション型ビジネスが大流行。当初はアパレルなど限られていたが、今や各業態において様々なサービスが出ている。
そして、ここ最近になって目立つのが、飲食店のサブスクリプション型サービス。1日1杯のコーヒーやビールを飲めるライトなものから、ステーキやフランス料理のようなゴージャス系まで、続々と参入が相次いでいる。
今回紹介する「ミノラス食堂」(大田区蒲田1-28-17)もその1つ。1月下旬にオープンし、テレビ番組で紹介されるなど、大きな話題を呼んでいる。
月540円で毎日1杯かけうどんが食べられる
「ミノラス食堂」が、月額定額制で提供するのはかけうどん。「FREE LUNCH(フリーランチ)」というサービス名のとおり、ランチタイム(11~14時)にかけうどんを1日1杯食べることができる。月額料金は税込み540円。うどん屋チェーン大手の並盛かけうどんが1杯300円程度なので、仮に毎日1杯食べたら300円×30日=月額9000円となることを考えると、格安というレベルを通り越した安さになる。
「大勢のお客さんが毎日これを食べに詰めかけたら、大変では?」という素朴な疑問に対して、運営会社DELICIOUS(株)の大山圭太さんは、このように答える。
「電話料金の基本料と通話料の料金システムを考えていただけると理解しやすいですが、『フリーランチ』も定額の部分とは別に従量制の部分があります。定額の部分はかけうどんですね。1か月間毎日来てこれだけだと、さすがに飽きてしまいます。そこで、当店のサイドメニューやトッピングメニューを注文することになります。これが従量制の部分となります」
ごもっともで、生粋のうどんファンでも、具のないかけうどんばかりでは厳しい。必然的に、メニューにあるかき揚げやえび天などのてんぷら(100~200円)をトッピングとして、ついでにおでんや厚焼き玉子(100~250円)をサイドメニューに、時にはうどんの代わりに日替わり定食やカツ丼(550~850円)を食べたくなるもの。これらの注文を受けることで「利益は確保できる」そうで、そのあたりは、よく考えられている。
従量制の部分にあたるトッピングやサイドメニュー(注:うどんが300円とあるのは、サブスクリプションではない単発注文の場合)
筆者が注文した今日の1杯、「かけうどん+かき揚げ+おにぎり」