宿泊税を始める自治体はGW明け以降増える見込み
宿泊税については、自治体によって異なることから、旅行に行く前に行き先の自治体についてはあらかじめ調べておくのが良さそう。町田さんは宿泊税について知っておくべきトピックを挙げる。
●東京都は宿泊料金の最大1.3%程度
「現行の自治体の制度では、1人1泊の宿泊料金によって宿泊税の税額が決められています。例えば、東京都は1万円以上1.5円未満で100円、1.5万円以上で200円です。東京都の場合、宿泊料金に対する税額は最大で1.3%程度です。その他の地域を見ても、宿泊料金に対する税額は最大で2%となっています」
例)いずれも宿泊一人一泊につき
【東京都】
宿泊料金1万円以上1.5万円未満…100円
宿泊料金1.5万円以上…200円
出典:東京都主税局
【金沢市】
宿泊料金2万円未満…200円
宿泊料金2万円以上…500円
出典:金沢市公式ホームページ
【京都市】
宿泊料金2万円未満…200円
宿泊料金2万円以上5万円未満…500円
宿泊料金5万円以上…1,000円
出典:京都市情報館
●宿泊税が上がる自治体も
「大阪府は宿泊料金の低価格化による税収減を受け、2019年6月1日以降は宿泊税の課税対象となる宿泊料金を引き下げます。変更前の課税価格は1万円でしたが、変更後は7,000円以上になる予定です。
また現在、宿泊税を検討中の自治体の一つである北海道の倶知安町は、全国初となる一律2%の定率制導入を検討しています」
【大阪府】
変更前(2019年5月31日まで)
宿泊料金1万円未満…非課税
宿泊料金1万円以上1.5万円未満…100円
宿泊料金1.5万円以上2万円未満…200円
宿泊料金2万円以上…300円
変更後(2019年6月1日から)
宿泊料金7,000円未満…非課税
宿泊料金7,000円以上1.5万円未満…100円
宿泊料金1.5万円以上2万円未満…200円
宿泊料金2万円以上…300円
出典:大阪府
●GW以降、宿泊税を導入する自治体が増える見込み
「GW以降の話になりますが、宿泊税を導入する自治体が増える見込みです。また、大阪府のように税制を変更する自治体がでてくる可能性もありますので、旅行の宿泊先を決める際には宿泊税の額や変更があるかどうかは注意して確認しておいたほうがよいでしょう」
観光税は、あまり納めている実感がないものだが、自治体によって宿泊税額のありなしや、税額、課税条件などが変わる。旅行時には確認しておこう。
【取材協力】
ファイナンシャルプランナー 町田 萌さん
FPサテライト株式会社 代表取締役。金融商品を販売せず、中立中正をモットーに活動している。家計・生活設計、保険、資産運用、地方移住サポートから、起業や経理支援まで、個人法人問わず幅広い分野に対応。
https://fpsatellite.co.jp/
取材・文/石原亜香利