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学費をサポートしてくれる奨学金制度は、令和4年度の段階で大学(昼間部)の学生の内55.0%が利用している。進学予定の人や大学受験を控えた子どもを持つ人の中には、奨学金の利用を検討している人も多いのではないだろうか。
日本学生支援機構の奨学金制度は2020年4月から従来の「貸与型」に加えて「給付型」がスタートしている。返済不要となる点は嬉しいが、利用条件に学力基準と収入基準が設定されているため、貸与型の利用者も依然として多い状況だ。
奨学金の利用で気になるのは、やはり借りられる金額、そして卒業後の返済額だろう。
そこで本記事では、奨学金の中でも生活への影響が大きい貸与型奨学金にスポットを当てて、「もらえる金額」と「返済する金額」について解説する。
【参考】令和4年度学生生活調査結果・PDF(日本学生支援機構)
貸与型奨学金の貸与金額の平均は?
奨学金の貸与平均額は、日本学生支援機構が毎年公表している。令和4年3月に貸与が終了した奨学生の、1人あたりの貸与平均額は以下の通りだ。
- 第一種奨学金…216万円
- 第二種奨学金…337万円
【参考】奨学金事業への理解を深めていただくために・PDF(日本学生支援機構)
奨学金の貸与金額は第一種・第二種、大学・短期大学・専門学校・大学院などで異なる
貸与金額は、その奨学金の種類や専攻課程によって変わってくる。下記のサイトで確認しよう。
【参考】第一種奨学金の貸与月額 | JASSO(日本学生支援機構 公式サイト)
第二種奨学金の貸与月額 | JASSO(日本学生支援機構 公式サイト)
給付奨学金の支給額 | JASSO(日本学生支援機構 公式サイト)
奨学金の最高月額は?
最高月額は、第二種奨学金の“法科大学院の法学を履修する課程の場合”の月額15万円(それに4万または7万円の増額が可能)になる。
奨学金の種類ってどれくらいあるの?
奨学金の種類は、大きく「貸与型」と「給付型」に分けられる。
[貸与型奨学金]
返済が必要な奨学金。第一種と第二種に分かれており、第一種は利息なしで返済できるが、第二種は返済時に利息がつく。
[給付型奨学金]
返済が不要な奨学金。
民間の奨学金制度にも種類はあるの?
民間の奨学金は、「一般・公益財団法人の奨学金」「自治体の奨学金制度」「企業の奨学金制度」「学校で行っている奨学金制度」などがある。給付型か貸与型かは、その団体に決まり、応募条件なども異なってくる。
奨学金を借りられる条件は貸与型と給付型、第一種・第二種、進学前・進学後で異なる
日本学生支援機構で奨学金を受ける場合、条件はその種類によって異なる。貸与型の場合、「予約採用」と「在学採用」でも条件が変わってくるので、注意しよう。
給付型は、2024年4月に制度が刷新され、利用時の家計基準や資産基準の上限が引き上げられた。親が給与所得者の場合、年収698万円以下であれば対象となるケースがあるので要チェックだ。
【参考】第一種奨学金の申込資格 | JASSO(日本学生支援機構 公式サイト)
第二種奨学金の申込資格 | JASSO(日本学生支援機構 公式サイト)
給付奨学金の申込資格 | JASSO(日本学生支援機構 公式サイト)
奨学金の金額は増額や減額ができる?
第一種・第二種奨学金は、貸与中に月額を変更することができる。学校の担当者から「奨学金貸与月額変更願(届)」をもらい、必要事項を記入して学校に提出しよう。
変更後の奨学金の金額確認方法は?
変更後の金額は「スカラネット・パーソナル」か、毎年12月から2月頃に学校から交付される「貸与額通知書」で確認ができる。
奨学金の金額を変更するのはどんな時?第一種と第二種それぞれのケース
第一種は、自宅からの通学か自宅以外からの通学かで月額が変わってくる。通学の形態が変更した時は、速やかな連絡と手続きが必要だ。そのほかに、本人の意志で低い月額に変更可能。第二種は、学校生活をしていく上で必要だと判断された場合に限り、月額が減額できる。
奨学金を返済する時の金額はどう決まるの?
奨学金の月々の返済金額は、借りた総額と割賦方法によって決まってくる。割賦方法の種類は、下記のとおり。
[月賦返還]
毎月定額で返済額が引き落とされる方法。
[月賦・半年賦併用返還]
返還総額の半分は毎月定額で返し、もう半分は半年に1回(1月・7月)毎月の返済額に上乗せして返済する方法。
[所得連動返還方式]
第一種のみ選択可能。前年の所得に応じて、その年の毎月の返済額が決定する。返済額の見直しは、毎年行われる。
奨学金の返済金額を確認したい時は?
奨学金の返済金額は、「スカラネット・パーソナル」と「貸与通知書」で確認できる。
奨学金の利率(利息)はどう決まるの?
奨学金の利率は、自身が選択した算定方式と、その年に設定された利率によって変わってくる。
【参考】平成19年4月以降に奨学生に採用された方の利率 | JASSO(日本学生支援機構 公式サイト)
奨学金の利率は固定?変動?
奨学金の利率が固定か変動かは、算定方式によって変わってくる。
奨学金の[利率固定方式]
返済完了まで、利率が固定される。
奨学金の[利率見直し方式]
返済中、およそ5年毎に利率が見直され、変動する。
奨学金の利率の算定方法は、いつ選択するの?
利率の算定方法は、第二種奨学金を申し込む時に選択できる。変更したい場合は、貸与が終了する月の一定期間前までに“第二種奨学金「利率の算定方法」変更届”を学校に提出すること。
利率を含めて計算した、奨学金の返済額を知りたい!
利率を含めた実際の返済額を知りたいときは、日本学生支援機構の「奨学金貸与・返還シミュレーション」を使おう。項目を記入することで、おおよその返済額が計算できる。
【参考】奨学金貸与・返還シミュレーション(日本学生支援機構 公式サイト)
奨学金の返済金額は変更できるの?
災害・傷病・その他の経済的理由で月々の返済が厳しくなった時は、「減額返還制度」を申請できる。これは一定期間月々の返済額を減額できる制度だが、返済総額が変わるわけではないので、そのぶん返済期間も延びてしまう。
【参考】月々の返還額を少なくする(減額返還制度) | JASSO(日本学生支援機構 公式サイト)
奨学金を返済中、多めに返したいときは金額変更できるの?
奨学金は、全額または一部をまとめて返済することができる。申込み方法は、以下のとおり。
- スカラネット・パーソナルで手続き
- 奨学金返還相談センターに連絡
- 「繰上返還申込書」をFAXか郵送で日本学生支援機構に送付
奨学金の返済額は、出産や育児などのライフステージに合わせて変更できる。金額の変更方法や一括返済のメリット・デメリットについては以下の記事もチェックしてみよう。
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文/ねこリセット