新元号「令和」の開始まであとわずか……待ちに待ったゴールデンウィークも近づいてきた。今年のGWは4月27日(土)~5月6日(月)まで、史上初となる10連休。
というわけで、例年のゴールデンウィーク以上に渋滞予測がしにくいのは言うまでもない。
そこで今回、渋滞回避のポイントを、渋滞予測のプロフェッショナル「高速道路ドライブアドバイザー」が解説!さらに、近年相次いで発生し社会問題化している、「あおり運転」や「逆走」についても対策を紹介していく。
■日本の大動脈「東名高速道路」専門の高速道路ドライブアドバイザー
NEXCO中日本東京支社高速道路ドライブアドバイザー
山本隆(やまもとたかし)
担当:東名高速道路/新東名高速道路/圏央道
大型10連休GWの渋滞傾向は「分散型」。余裕を持った午後出発で渋滞回避も。
山本:2019年GWは、大型連休ということもあり、例年よりも渋滞の分散が予測されています。特に下り線においては、午前中に渋滞が集中する予測となっており、今から旅行の計画を立てる方は、午前中の時間帯を避け、午後出発の余裕を持ったスケジュールを組むことで、渋滞を回避できる可能性があります。
下りは午前中を中心にほぼ連日15~20km程度、上りは5日の午後が渋滞のピーク!
■E1東名高速道路
(下り)
2019年のGWは、長期連休となったことにより、特に下りにおいては渋滞が分散傾向。東名高速道路は、GW期間中、25km以上の激しい渋滞の予測はない一方、ほぼ連日午前6時~12時を中心に大和トンネル付近で15~20km程度の渋滞が発生する予測。
(上り)
Uターンラッシュは、5月3日夕方から多くの交通が集中し、5日の午後をピークに大和トンネル付近で最大30km超の渋滞が発生する予測。5日の渋滞は日付が変わる頃まで続く見込み。
■E1A新東名高速道路
新東名高速(静岡県)においては、5月2日~5日にかけての夕方ごろ、下り線新清水JCT付近で最大15km程度の渋滞が発生する見込み。上り線は3日~5日の午前中、小河内(こごうち)トンネル付近で5km程度の渋滞を予測。
そもそも、なぜ渋滞が発生するのか?渋滞発生のメカニズムを解説!
山本:渋滞の発生地点としてもっとも多いのは下り坂から上り坂に差し掛かる場所を指す「サグ部」での渋滞で、これだけで半数以上を占めます。渋滞の難所として知られる大和トンネル(神奈川県大和市)のように、下り坂から上り坂になる地点では、運転していても勾配の変化に気づかず、いつの間にか速度が低下してしまうことがあります。
すると、後続車が次々とブレーキを踏み、連鎖的な渋滞につながります。トンネルの入り口も、急に暗くなって視野が狭まるため、圧迫感からブレーキを踏んだり、無意識のうちに速度が低下したりするケースがあります。知らないうちに自分が渋滞の先頭になっている可能性もあるので注意が必要です。
知っていると得するマル秘テクニック!
■車線変更をせずに走った方が渋滞を早く抜けられる!?
山本:渋滞にはまり込んでしまった場合、つい追い越し車線に入って、少しでも渋滞から早く抜け出そうとしがちですが、これが渋滞をさらに大きくする原因になる可能性が。
追い越し車線に割り込む際、その後続車がブレーキを踏んで速度を落とす局面が発生するからです。車線をキープすることで、結果的に渋滞を早く抜けられると考えられています。
■道路情報板の表示にも要注意!
山本:右の画像にある赤い三角のマークは、「これから渋滞がさらに延びる」という意味合いがあります。このように道路情報板の情報を読み取り、ルートを検討することで、渋滞を賢く回避することもできます。
新東名高速新区間開通で、渋滞傾向に変化が
山本:E1A新東名高速道路厚木南インターチェンジ(厚木市)と伊勢原ジャンクション(伊勢原市)間4.3キロが2019年3月17日に開通。伊勢原JCTから東名高速道路と新東名の二つのルートで圏央道にアクセスできるようになり、渋滞緩和などが期待されます。
普段、高速道路を利用していない人こそ、あおり運転や逆走に要注意!
山本:GWなどの大型連休になると、普段運転し慣れていない大勢の方が、高速道路を利用することになります。近年、報道でも目にする機会の多くなった「あおり運転」や「高速道路の逆走」などのトラブルが発生した場合にもパニックに陥らないよう、対応策などについて、事前に知識として持っておくことが重要です。
■「あおり運転」への対処
山本:近年問題化している「あおり運転」(前方を走る車に対して進路を譲るように威嚇したり、追い回したり、嫌がらせをするなどの危険行為)に巻き込まれないためにも、十分な車間距離をとり、急な割り込み・並進している車への幅寄せなどトラブルのもととなるような行為は避けるよう心掛けてください。
また、事後に備えるためにも、事件・事故の際の有力な証拠となるドライブレコーダーを有効に活用してください。万が一危険な運転者に追われるなどした場合は、まずは自分自身の身の安全確保を最優先に考え、本線や路肩には停車せず、人目の多いサービスエリアやパーキングエリアに速やかに入り、ためらうことなく警察に110番通報をしてください。不用意に車の外に出たりせず、相手を刺激しないよう車内で警察の到着を待つようにしてください。
■「逆走運転」への注意
山本:普段高速道路に乗り慣れていない方が特に注意したいのが「逆走運転」。およそ2日に1件のペースで発生しています。次のような場合でも、高速道路上でのバックやUターン(転回)は絶対に行わず、下記のように対処することができます。
※インターチェンジの構造等によっては対応できない場合がある。
(1)間違えて高速道路へ流入してしまった場合……入口料金所の通行券を受け取る機械にインターホンがありますので、料金所スタッフにお申し出ください。料金所スタッフの指示に従いお戻りいただくことができます。
(2)目的のインターチェンジを行き過ぎてしまった場合……そのまま走行し、次のインターチェンジで降りてください。インターチェンジ出口では料金所スタッフがいるレーンをご利用いただき、料金所スタッフにお申し出ください。目的のインターチェンジまでお戻りいただけるようご案内しますので、料金所スタッフの指示に従ってください。
出典元:NEXCO中日本東京支社
構成/こじへい