「あの人、何で椅子を叩いているの!?」――図工室の椅子のような箱を叩いている人を見て、驚いたことがある方もいるかと思います。箱型の打楽器「カホン」は、叩く位置によって様々な音が鳴り、ドラムセットさながらの多彩なビートを奏でることができます。場所も取らず、電源も不要なため、ストリートミュージシャンやバンドがアコースティック編成でライブを行う時に重宝されます。 今回は初心者におすすめのカホンをチョイスしました。
【目次】
・迷った時はコレ! カホンの定番メーカーやおすすめの人気モデル
カホンを選ぶ時のポイントや豆知識
カホンの選びは、大きさ/構造/木材/デザインなどがポイントとなります。
こちらでは、大きさ(サイズ)や構造に焦点を当てて紹介。もちろん木材によっても音色は大きく変わりますので、楽器屋などで試打をしてみても良いでしょう。
カホン選びのコツ【サイズ】
サイズに関しては、初心者の場合は標準の「高さ50cm前後×幅30cm前後×奥行き30cm前後」を選ぶと良いでしょう。
標準サイズよりも大きな「ベースカホン」は低音が豊かな分、持ち運びが大変。小さいカホンは持ち運びしやすい分、全体的に音が高くなり、打面の面積も小さくなるので、標準サイズほど音色は多彩ではないです。
カホン選びのコツ【構造】
カホンの多くは、内部に“響き線”が張ってあります。響き線の種類によって、音色が異なります。
■ワイヤータイプ…ギター弦のような線で、歯切れの良いサウンド。叩いた時のニュアンスを表現しやすいです。線の張り具合を調整できるカホンも多く、締めるとタイトなサウンドに、緩めるとラフなサウンドになります。
■スナッピータイプ…スネアドラムの如く、金属バネのような線が張ってあります。まさにスネアのような「ジャッ」という音がして、叩き方によっては余韻のあるサウンド(バズ音)も堪能できます。
カホン豆知識
一般的に、「カホン」とはスペイン語で「箱」を意味するペルー発祥の民族楽器を指します。
しかし、厳密に言うと箱型カホンは「ペルー式」と呼ばれるもの。その他に、コンガのように股に挟んで演奏する「キューバ式」など、カホンは打面が木製である打楽器全般を意味しているのです。
今でこそパーカッションの定番楽器となっているカホンですが、もともとはマイナーな民族楽器でした。しかし、伝説的なフラメンコギタリストのパコ・デ・ルシアがその存在を広めたことで、世界中に知られる楽器に。今や、ストリートライブやアコースティック編成でのライブなどでも活用されています。
迷った時はコレ! カホンの定番メーカーやおすすめの人気モデル
こちらでは、カホンの定番&人気メーカーと、そのおすすめモデルを紹介。迷った時はこの中から選べば間違いなしです!
Pearl(パール) PCJ-AWC/SC アッシュカホン
世界中で人気の打楽器メーカー「Pearl」。PCJ-AWC/SCは打面に堅い木材のアッシュを使用。アッシュはアタックが強く、明瞭かつパワフルな音色が鳴るため、叩いていて気持ちがいいです。丈夫でサウンドのバランスも良いので、初心者にはピッタリ。
出典 公式サイト|Pearl(パール) PCJ-AWC/SC アッシュカホン
De Gregorio(デ・グレゴリオ) KIYO
「De Gregorio(デ・グレゴリオ)」は、ドラマー/パーカッショニストが設立したスペインのメーカー。デザイン性に優れたカホンは世界中で人気があり、→Pia-no-jaC←のHIROもデ・グレゴリオを愛用しています。「KIYO」はエントリーモデルながら、深みのある低音と優しい高音が魅力。
出典 公式サイト|De Gregorio(デ・グレゴリオ) KIYO
Schlagwerk(シュラグヴェルク) SR-CP404 2 in Oneラージ
ドイツの「シュラグヴェルク」は、独創的なアイデアを取り入れた打楽器で人気のメーカー。「SR-CP404」は全音域のバランスが良いビーチ材を使用しています。
また、カホン内部の“響き線”が着脱できるので、「2 in One」の名の通り、一台で2機種分楽しめるのも魅力。初心者は使いやすく、中級以上は幅広い表現を可能とするカホンです。
出典 公式サイト|Schlagwerk(シュラグヴェルク) SR-CP404 2 in Oneラージ
MEINL(マイネル) MCAJ100BK-MA スネアカホン
ドイツの打楽器メーカー「MEINL」。「MCAJ100BK-MA」はエントリーモデルで、メイプル材を使用しているため、軽くて持ち運びやすいです。また、コンパクトな作りなので、女性や子供でも扱いやすい点も魅力。メイプルならではの柔らかな音色がありつつ、打面裏のスネアワイヤーによって多彩なサウンドキャラクターが楽しめます。
出典 公式サイト|MEINL(マイネル) MCAJ100BK-MA スネアカホン
LP(エル・ピー) LP1442-RD Festivo Cajons
「LP」こと「Latin Percussion」は、アメリカのパーカッション楽器メーカー。こちらは初心者向けのカホンで、画像のレッド以外にも、ブラック/グリーン/ブルーの全4色と、カラーラインナップが豊富です。
出典 公式サイト|LP(エル・ピー) LP1442-RD Festivo Cajons
LP(エル・ピー) LPA1331 LP Aspire Cajon
ハードウッド製のため低音~高音までバランスが良く、音にメリハリがあるので、叩き心地が良いです。初心者の方でも扱いやすく、カホンを叩く楽しさを感じることができるでしょう。また、ネジの調整具合で音質を変化させられるので、上達したら自分好みの音を探すという楽しみ方もできます。
出典 公式サイト|LP(エル・ピー) LPA1331 LP Aspire Cajon
Pearl(パール) PCJ-633BB Boom Box Cajon
打面にはレッドマホガニー、周りの面にはファイバーグラスを採用。マホガニーの深みのある音色や、ファイバーグラスのキレのあるサウンドなど、幅広い音色を奏でることができます。また、スピーカーのように裏面に穴が空いているため、音量も豊か。ストリートでの演奏や、バンドセットで使用する際にもピッタリでしょう。手の負担が軽減するようエッジ部を丸くしていたり、座面にスベリ止め加工を施している点も良心的。
出典 公式サイト|Pearl(パール) PCJ-633BB Boom Box Cajon
ammoon カホン ボックスカホン
Amazonで7000円前後(編集部調べ)と、お手頃価格で購入できるので、カホンを気軽に始めることができます。ゴム足つきで安定感があり、初心者でも演奏しやすいでしょう。
バンド演奏向けカホンやベースカホンのおすすめ
サイズによっても、カホンのサウンド/演奏性は異なります。標準サイズよりも大きな「ベースカホン」は持ち運びは少し大変ですが、低音が豊かなで深みのある音色が魅力です。
音量の充分なカホンを使用すれば、バンド内でもある程度、存在感を発揮することができます。
しかし、エレキギターやエレキベース、ドラムセット、キーボード……など、フルセットのバンドの中でカホンを使用したい場合、生楽器のカホンでは負けてしまうことも。そういった時には、マイクを使うといった方法もありますが、スピーカー内蔵カホンがおすすめです。
LP(エル・ピー) LP8800LB Peruvian Ultra-Bass Cajon
サイズは、高さ18インチ(約46cm)×幅20インチ(約51cm)×12インチ(約30cm)。幅はありますが、深みのあるリッチな低音が欲しい方におすすめです。ケースも付属します。
出典 公式サイト|LP(エル・ピー) LP8800LB Peruvian Ultra-Bass Cajon
Roland(ローランド) Electronic Layered Cajon EC-10
電子ドラムやキーボード、ギター、アンプ、エフェクターなどなど、電子楽器に強い「ローランド」。EC-10は、アコースティックカホン本体に電子パーカッション技術を搭載していて、ドラムセットやそのほかのパーカッション楽器の音色も楽しめます。スピーカー内蔵で電池駆動も可能なので、ストリートでの演奏に便利。また、シールドケーブルをつないでアンプから出力することもできます。
出典 公式サイト|Roland(ローランド) Electronic Layered Cajon EC-10
持ち運びに楽チンなミニカホン/トラベルカホンのおすすめ
こちらでは、持ち運びに便利なカホンを紹介。ミニカホンは全体的に音が高くなって打面の面積も小さいので、標準サイズよりも音色は幅広くありません。しかし、持ち運びやすく手軽にカホンを楽しめるという点は魅力的で、ギフト用として人気があります。
そしてポータブル用の「トラベルカホン」は、練習用におすすめ。音量が小さいので、自宅や出先など、あらゆる場所で練習できます。部屋で演奏する程度であれば、トラベルカホンでも充分対応可能です。
MEINL(マイネル) MC1AB-B Baltic Birch
サイズはノーマルカホンの約1/6サイズ。しかし、ボディにバルティックバーチを使用し、スネアワイヤーを内蔵しているなど、仕様はノーマルサイズと同じです。軽いタッチで奏でることができる点も魅力。
出典 公式サイト|MEINL(マイネル) MC1AB-B Baltic Birch
Schlagwerk(シュラグヴェルク) SR-DC300 カホニート“ナチュラル”
サイズは、29.5×21×15cm。表裏の2面が打面となっていて、片側には響き線がついています。小型ながら、比較的多彩なサウンドを楽しむことができます。
出典 公式サイト|Schlagwerk(シュラグヴェルク) SR-DC300 カホニート“ナチュラル”
Geckocajon(ゲッコーカホン) ミニ カホン・ビンテージ・MV01モデル
小さくて持ち運びやすいのはもちろん、小型ながら低音が豊かで、サウンドも本格的。子供にもおすすめです。また、デザインもインパクトがあります。
Pearl(パール) PFB-300 Fun Box
子供用に作られた小さめのカホン。子供用とはいえ、パール製なので作りやサウンドはしっかりしています。軽くて扱いやすく、響きにメリハリがあって叩き心地が良く、デザインもかわいらしいので、お子さんもきっと喜んでくれるはず。
出典 公式サイト|Pearl(パール) PFB-300 Fun Box
MEINL(マイネル) TCAJ1BK travel cajon, black
一見、何の変哲もない板のようですが、スネアワイヤーが内蔵されていたり、カホンのサウンドを感じながら練習することができます。手軽に購入して楽しめるので、初心者にもおすすめです。
出典 公式サイト|MEINL(マイネル) TCAJ1BK travel cajon, black