マカオに行ってきた。だがそれは、マカオという土地に行ったという単純な旅ではなかった。
「未来に行ってきた!」
もはやそう言ってもいいほど、日本より進んだ世界を体験する旅だった。
なにしろ泊まったホテルは、その見た目からしてシンプルに未来そのものなんですから。
それが、マカオの誇る巨大統合型リゾート……いわゆるIR『シティ・オブ・ドリームス マカオ』内の4番目のホテルとして、2018年6月にオープンした『モーフィアス』だ。
世界でも類を見ない、有機的な外骨格による自由造形の42階建て高層ホテル。その設計は、あの幻の国立競技場プランで日本でも有名な故 ザハ・ハディド女史!
その事実だけでもちょっと驚くのだが、なんと使用した構造用鉄鋼は、エッフェル塔建設に使われた鋼鉄の4倍!! あの、わかりやすく鉄骨の塊であるエッフェル塔の4倍ですよ4倍! まさしくアンビルドの女王によるアンビルドな構想。それをこうして作り上げてしまったマカオの底力……感服するしかない。
奇抜な建築が立ち並ぶマカオでも、異彩といってもいいオーラを放つそのフォルムはマカオの新しいランドマーク。しかし、その異彩は外観だけではなく、内部に入ればさらに圧倒的だ。
ゲストを出迎える高さ35mの吹き抜けのアトリウムロビーは、未来の神殿のような神々しさ。
もうなにがなにやらわからないくらい感じですらある。
ただ、このホテルの凄味はそんな外観内観の見た目だけではなかった。ゲストルームに至ってはインテリアどころか、その機能面までもが先進だった。