〇「大人のスパイシー ポテサラ」
ポテトサラダは以前からフリーズドライで出していたが、若い層向けに味付けを変更。マヨネーズ好きのための濃厚でクリーミーな味と、ブラックペッパーのスパイシーさを加えて酒に合うような仕立てに。
油分が多い食材はフリーズドライが苦手をする分野で、油分が多いマヨネーズを、いかに油分を抑えながら濃厚な味を出すか試行錯誤したという。ポテトサラダを作る時にあまり使わない牛乳も加えてコク出している。きゅうり、じゃがいも、無塩せきベーコン、まぐろ水煮フレーク、たまねぎ、にんじんの6種類の具材で、具材の色や食感を再現できるフリーズドライの強みを生かしている。
使う湯の量は50ml。湯をかけてかき混ぜながらこちらも10~15秒ほどで完成。じゃがいもの素材感を生かしたもったりとしたポテサラが好きな人には、さらっとし過ぎている感じが否めないかもしれないが、なめらか系なのでパテのようにバゲットなどにつけて食べてもOK。
【AJの読み】家飲みでの「簡単おつまみが欲しい」ときには使えそうだが……
アマノフーズの旗艦商品である味噌汁、スープは比較的高めの年齢層向けだが、「まかないごはん」シリーズは若い層向けで、特に今回は酒のお供という位置づけなので味付けも濃く、スパイシーさがかなり感じられる。
アマノフーズでは花見のおつまみとしても提案しているが、保温ポットに湯を入れて持参し、湯の量はきちんと量って戻さなければいけないので、ポットと共に計量器具、さらにプラや紙の器なども必要になる。屋外で食べるならコンビニの惣菜を買った方が、手間がかからないと感じる人も多いのではないか。やはり家飲みで簡単にできるおつまみとしての方が使い勝手が良さそう。
「アマノ食堂」で紹介されている、料理研究家のリュウジさんのアレンジレシピは面白い。おつまみとしても良いが、アレンジ次第で夜食としても使える。
税抜で1食分が牛煮込み300円、ポテサラ230円。発表会でも指摘されていたが、価格の面でもスーパーやコンビニの惣菜に比べると割高なのは否めない。
「汁物は機械化ができているため価格を抑えられるが、惣菜類は機械化ができずコストがかかり、さらにフリーズドライ自体が、惣菜を調理する、凍らせる、乾燥させるという、スーパーやコンビニより2工程多いことでエネルギーコストも余計にかかる。
フリーズドライは軽くて保存がきくというのが最大のメリット。1年間持つ(今商品は6カ月)ので出張先などでも使えて、時間と空間を超えられるところが一般の惣菜との最大の違いだと思う」(アサヒグループ食品 アマノブランド企画室 前島啓二さん)
文/阿部 純子