「エマール アロマティックブーケの香り」(花王)
おしゃれ着洗剤カテゴリーでは、「ファーファ」(NSファーファ・ジャパン)とともにプッシュされているのが、こちら。
おしゃれ着洗剤は、ほかの衣類用洗剤よりもちょっと高価。なので、よそ行きの服専用としてたまに使うものと考えてしまうが、実はコスパが良くて経済的なのだという。その理由として、かずのすけさんは、以下のように解説する。
「おしゃれ着洗剤の主成分はポリオキシエチレンアルキルエーテルなどの非イオン系界面活性剤で、洗濯した衣類に対して一切静電気を与えません。洗い上がりの手触り感や風合いが非常に良く、柔軟剤は不要。皮膚刺激もゼロですし、残留成分も少なく◎」
柔軟剤が要らないぶん割安感が出て、繊維ダメージもなく肌にも優しいということで、「おしゃれ着だけではなく、肌着やタオルなど、直接肌に触れるものにこそお勧め」だという。また、メイクブラシやメイクスポンジの洗浄にも使えるとのこと。
「バスマジックリン 泡立ちスプレー」(花王)
お風呂洗剤は、「水垢も石鹸カスも落とすのに低刺激」と、かずのすけさんがすすめるのが、こちらの商品。
キーワードは、「脂肪酸アミドプロピルベタイン」という主成分。これは「両性イオン界面活性剤」の代表選手で、肌への刺激が低いのが特徴。一方、従来からお風呂洗剤に多用されてきた「陰イオン界面活性剤」は、風呂掃除で流し残しがあった際に肌への刺激が懸念されるため、かずのすけさんは「あまり相応しくないのではないか」としている。
「バスマジックリン」は、脂肪酸アミドプロピルベタインの濃度が7%と低めで、流し残しリスクが発生しにくく、キレート剤(界面活性剤の作用を邪魔する金属イオンを封鎖する)が多めに配合されているので、頼もしい洗浄力を発揮できるという。
『秒でわかる! 最強の家事 – 暮らしは、化学でラクになる!』は、ほかにも消臭スプレーから床掃除シートまで、そしてシャンプーやボディソープのような身体の洗浄剤まで、わかりやすくて腑に落ちる解説が満載。1回読み通せば、売り場であれこれ悩まず、スマートな買い物ができるようになるだろう。
かずのすけさん プロフィール
1990年福井県生まれ。京都教育大学教育学部を経て、2016年に横浜国立大学大学院環境リスクマネジメント専攻・洗剤洗浄科学研究室を卒業(環境学博士・教育学学士)。専門は有機化学で、現在は研究活動のかたわら、サイト運営や化粧品の企画開発、セミナー講師、執筆業などにも携わる。2013年9月よりブログ「かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき」を運営中。
文/鈴木拓也(フリーライター兼ボードゲーム制作者)