キャリアフリー化の効果は出るか
房野氏:3大携帯電話会社がQRコード決済サービスを提供することになりましたが、やはり同一キャリアのユーザーが中心になるのでしょうか。
法林氏:d払いはドコモ、KDDIはau PAYで楽天ペイに乗り入れなんだけど、PayPayはソフトバンクのサービスというよりは、通信会社のソフトバンクとヤフーによって提供されているサービスなんです。Yahoo!プレミアムを持っている人、ソフトバンクとY!mobileのユーザーは標準で付いているし、ヤフオク!とかやっている人たちもYahoo!プレミアムに入っていますが、PayPayのキャンペーンでは最大1000円戻ってくる「やたら当たるくじ」の高確率の部類に入る。結構、母数は大きいんですよ。他のキャリアのユーザーもそうだし、MVNOもそうだし、結構多くてフラットだと思います。ややソフトバンクが多いかな、くらいだと思います。
石野氏:PayPayは100%ソフトバンクグループなんですけど、そこがソフトバンクのうまいところ。ドコモはドコモ色を消そうとしつつも「d」と付けちゃっている。やっぱりドコモユーザー以外、使えないのかなっていう感じが出てきてしまったり、auもなぜこの期に及んでじぶん銀行にauを付けるのか。キャリアフリーにするのに、なぜauを付けるのか。
法林氏:髙橋さんはauという名前にだいぶ思い入れがあるんだなということを再認識した。
石野氏:決済や金融をやるんだったら、通信事業者の名前を付けたらマイナスな気がする。
石川氏:でも、何千万という顧客母体があれば、それだけで十分なような気がする。表向きキャリアフリーとは言っているけれど、d払いをauユーザーに使ってもらおうとは、さらさら思っていないと思う。
石野氏:ドコモだったら分かるんですけど、auはau WALLETを使っている人が2000万くらいじゃないですか。
法林氏:オープン化はキャリア間だけじゃないじゃん。これからMVNOもちょっと増えてくることを考えると、そこに売りに行きやすいってこともあるじゃないですか。
石川氏:1位、2位と3位の違いで、ドコモは明らかに自前で大丈夫で、auはちょっと微妙だけど、ソフトバンクは、ソフトバンクユーザー向けだけでやるのは限界がある。ソフトバンクのユーザーは、安さに惹かれて契約している人が多かったので、その意味で門戸を広げないと勝てないってことがあると思う。