4.エナジーショット
エナジードリンクが人気のアメリカ。日本でもおなじみのレッドブルやモンスターなどのエナジードリンクがズラリと並んでいる。
コーヒーチェーン店であるスターバックスもエナジードリンク市場に参入していたり、スーパーの棚全てがエナジードリンクで占められていたりと大人気。アメリカの飲料コンサルティング会社「Beverage Marketing Corporation (BMC)」によると、2016年のエネルギードリンクの売上高は前年比の7%増だったと発表した。
通常のエナジードリンクでは物足りないアメリカ人から需要が高いのが「エナジーショット」
容量90mlとサイズは小さいものの、その分濃縮されたエナジーエキスが入っているため、直ぐに効果が得られると評判である。エナジーショットの2016年の売上高は前年比の2%増で、エナジードリンクと比較すると成長率は低いものの、女性向けにスタイリッシュなエナジーショットも用意されていたりとバラエティは豊富である。
ユニークなのは、エナジードリンクに対する日米の広告の差。こちらは日本のエナジードリンク「リポビタンDフィール」の広告。「エナジードリンクを飲んで日頃の疲れを癒そう」といったメッセージが掛かれた「静的」広告である。
【出典】http://band.co.jp/works/6306/
それに対し、こちらがアメリカのエナジードリンク「モンスター」の広告。「身体にエネルギーをチャージしろ!」というメッセージと共に闘士あふれる女性の姿が描かれた「動的」広告である。
【出典】https://www.monsterenergy.com/
日本のエナジードリンクは「マイナスをリカバーする」という位置付けなのに対し、アメリカのエナジードリンクは「プラスに持っていく」という位置付けなのがユニークである。
5.食事替わりに飲むドリンク
今アメリカ西海岸で話題となっているのが完全食「ソイレント」。
これは、「生存に必要な栄養素がすべて含まれ、従来の食事が不要となる」とされる植物性たんぱく質が豊富に含まれたドリンクである。
食感はドロッとしていて、飲み物というよりは食べ物のよう。個人的にはコレを1本飲むのはなかなかキツイ…。
この他にもたんぱく質、炭水化物、ビタミン、ミネラルなど1日に必要な栄養素が詰まった「Huel」など、食事替わりに飲むドリンクが多く存在する。
このように、「味」よりも「機能性」を重視したドリンクが人気のアメリカ。医療費が高いこともあって予防意識が高いアメリカでは、薬やサプリ感覚でドリンクを飲む人が多いのかもしれない。
文/小松佐保(Foody Style代表)
一橋大学経済学部卒業。日本&シンガポールのブランドコンサルに勤務した後、食領域に特化したマーケティングコンサルとして独立し、アメリカ・ボストンへ。
会社員時代に生活習慣の乱れが原因で体調を崩したこと、ボストニアンの心身共にヘルシーなライフスタイルに感化されたことで、「食×健康」に関心を抱くように。
現在は、ニューヨークの世界最大の栄養学校Institute for Integrative Nutritionでホリスティックヘルスを学びながら、食生活やライフスタイルを改善するための情報発信やイベント開催などを行っている。