米国発ウェルネスライフのススメ 第三回地中海式ダイエット
ハーバード大学やMITなど世界トップレベルの大学が集まる学術都市ボストンに住む人々から学んだ、心身共に豊かで健康な生活「ウェルネスライフ」という概念をご存じでしょうか? ウェルネスライフとは肉体的、精神的、そして社会的に良好な状態を目指す生き方です。
詳しくはコチラ→ ■ウェルネスライフとは?
本連載「食から始まるウェルネスライフ」では、健康的な身体づくりや心の整え方など、「ウェルネスライフ」を実現させるための秘訣を、私たちが生活していく上で必要不可欠な「食」と絡めて紹介します。
今回は、「U.S. News & World Report」によって「最高の食事療法」に選ばれた「地中海式ダイエット」について紹介します。
ウェルネスライフを送る上で最も重要なのは「健康な身体」
身体が健康でないと、遊ぶことも働くこともできませんし、気持ちも下がってきてしまいます。そして健康な身体づくりに欠かせないのが「食事」です。「身体は食べたものでできている」と言われるほど、食事は私たちにとって大切なもの。
しかし、「炭水化物は食べてはダメ」という炭水化物抜きダイエットや、「朝はバナナしか食べてはダメ」という朝バナナダイエットなど、食事制限が伴う食事療法は、食べることが好きな人にとっては辛いものです。「食事が唯一の息抜きであり、楽しみである」と考える、朝から晩まで仕事をしているビジネスパーソンにとって、食事制限ダイエットはストレス以外の何物でもありません。
しかし、好きなものを好きなだけ食べていては健康に良くないことは明白です。そこで実践して頂きたいのが、普段の食事に「地中海式ダイエット」を取り入れることです。
地中海式ダイエットとは?
2019年1月に「U.S. News & World Report」によって、①安全性 ②実施しやすさ ③栄養価の高さ ④体重減少に寄与する効果の4つの視点からベスト・ダイエットに選ばれた地中海式ダイエット。
一体どのようなダイエットなのでしょうか?
ボストンの非営利食品シンクタンクである「Oldways」が、ハーバード大学公衆衛生大学院と共同開発した「地中海式ダイエットピラミッド」を元に見ていきましょう。
Photo: Oldways Preservation & Exchange Trust and The Harvard School
ピラミッドの下部にあるもの程高い頻度で摂取し、上部にいく程、摂取を控えるのが好ましいとされています。
穀物、野菜やフルーツ、オリーブオイルなどは毎日、鶏肉や魚介類や卵などは週2~3回、鶏肉以外の肉類は月2~3回摂取するのが望ましいとされています。
このピラミッドを見れば分かって頂けると思いますが、地中海食ダイエットには「これは食べてはダメ」というものはありません。食べる頻度に留意すれば、スイーツだって食べて良いのです。これならばストレスをためずに、無理なく続けることができますよね。
アメリカで人気が高まる地中海食
アメリカでは、このピラミッドに則った食事「地中海食」を提供するファストフード店が人気です。
例えば「CAVA」。
はじめは小さなレストランでしたが、昨年同じく地中海食のファストフード店「Zöe’sKitchen」を買収し、今ではアメリカ24州で327のレストランを展開することになりました。
ベース(雑穀米や豆)、野菜(好きなだけチョイスできる)、プロテイン(ペーストしたひよこ豆を揚げた「ファラフェル」や鶏肉)、ソース(ひよこ豆のペーストである「フムス」やヨーグルトソース)の各セクションから好きなものを選び、自分好みの「カスタマイズ・ボウル」が作れるお店です。
「地中海式ダイエットピラミッド」に則った、野菜や雑穀をたっぷりと使ったヘルシーな料理が1ボウル約10ドルとカジュアルに食べられるお店です。
他にも「Taïm」「Roti」など地中海料理をカジュアルスタイルで提供するお店が、ニューヨークやボストンなど健康意識が高い都市で続々とオープンしています。
Photo: https://www.instagram.com/taimfalafel/