男がスキンケアなんて……と白い目を向けられていた時代はもう過去のこと。今では男性でも洗顔料を使うのは当たり前になってきているし、中には美容液、化粧水を常用している女子顔負けのスキンケア意識高め男子も多いことだろう。
では実際のところ、世の男性たちはどの程度、スキンケア用品を愛用し、毎月費用をかけているのだろうか? また、スキンケアをする男性に対して、女性はどのような感情を抱いているのだろうか?
今回、そんな疑問を追求すべく3,931人の男女を対象にしたアンケート調査が実施された。
20代・30代男性では4割超が“1日1回以上”スキンケアをしている
はじめに、「スキンケア用品を使って顔や全身の肌のケア(スキンケア)をしているか? しているのであればその頻度はどれくらいか?」という質問が行われた。
すると、男性でスキンケアをしている人の割合は40.5%と、実に4割。1日1回(毎日)以上スキンケアをしている人に限っても、28.8%と3割近くに上っていた。
年代別に見ると、男性では、年代が高くなるほど「スキンケアはしない」が高く、若い人ほど低くなっている。男性の70代以上では“スキンケアしている”計は31.9%。
これに対し、40代では4割超、30代で過半数となり、20代では6割近くまでアップ。世代によって、大きく意識が異なっていることがわかる。また、1日1回以上スキンケアをしている人の割合も、20代・30代では4割を超えていた。
若い人ほどスキンケアへの意識が高くなっていた男性とは反対に、女性では、年代とともに“スキンケアしている”計が徐々に高まり、60代で96.5%と最高値。女性の場合、加齢によって肌トラブルを自覚しやすくなり、より念入りにスキンケアをするようになるのかもしれない。
乾燥はお肌の大敵!…男性も女性もスキンケアで重視するのは“保湿”
次に、スキンケアをしている人を対象に、「ケアするうえで重視することはどんなことか」という質問が行われた。すると、男性も女性もスキンケアで最も重視していたのは、「保湿、かさつきをおさえる」こと。
男性にとっても女性にとっても、乾燥がお肌の大敵であることがわかる。以降、男性では「皮脂や汚れを落として清潔を保つ」「肌のコンディションを整える・保つ」「肌荒れをおさえる・防ぐ」と続き、清潔でよく整った肌を保つというベーシックなケアが、まずは重視されていることがわかる。
ほとんどの項目で女性のほうが数値が高くなっているものの、4位の「肌荒れをおさえる・防ぐ」は、唯一、男性のほうが高かった項目。6位の「皮脂やてかりをおさえる」も女性との差が小さく、「肌荒れ」「皮脂やてかり」は男性が特に気にしやすい肌トラブルだと考えられそうだ。
一方で、男女差が最も大きかった項目が「しわやほうれい線・たるみを目立たなくする・防ぐ」。
男性では7位だが、女性では「肌荒れをおさえる・防ぐ」を抑え、4位に入っている。女性は男性に比べ、年齢による肌トラブルへの対処をより重視していると考えられ、年代に伴いスキンケアをする割合が上昇していた前の調査の結果とも一致していると言えそうだ。
男性がスキンケアにかけている費用は?
1か月あたりにスキンケアにかける費用についての調査も行われた。全体の結果では、「500円~1,000円くらい」が最も多く、「1,000円以内」計が「1,000円以上」計をやや上回る結果となった。比較的リーズナブルな費用に抑えている人が多いようだ。
「1,000円以上」計の数値を性年代別に比べると、男性において、40代~70代以上では30%前後で推移しているが、30代では39.1%にアップし、20代では45.0%と4割を超えていた。女性においては、年代に伴い徐々に高くなる傾向が見られることと対照的だ。
一般的に、年齢が高いほど経済的な余裕ができ、スキンケアにもよりお金をかけられるはず。それにも関わらず、若年層ほど費用をかけているということは、やはり男性では、若い人ほどスキンケアに対する意識や関心が高いことの表れだと言ってよさそうだ。
20代では7割が「洗顔料」を、2割が「美容液」を使っている!
さらに、どんなスキンケア用品を使っているかという質問も行われた。性年代別に見ると、若年層と高齢層とではよく使うスキンケア用品にギャップがあることが明らかに。年代差が特に目立っていたのが「洗顔料」と「化粧水・ローション(フェイスケア)」「薬用クリーム(肌荒れ・乾燥肌・かゆみ用など)」。若年層と高齢層とでは正反対の傾向が表れている。
20代男性にとって、洗顔料で顔を洗い、洗顔後に化粧水やローションで保湿をすることは当たり前になっているようだ。一方高齢層では、肌荒れやかゆみなどの症状に対処する範囲のスキンケアにとどまっているのかもしれない。
「リップクリーム」や「洗顔シート・リフレッシュシート」は30代で最も高くなっているが、職場などにも携帯しやすいことが関係しているとも思われる。これからは仕事先でも肌の調子に気をつかうのが、できるビジネスマンのマナーになりそうだ。
中でも、「美容液」の数値には注目。40代以上では1ケタだが、30代では14.1%、20代では18.0%と2割近くに達している。上の世代の男性にとっては驚くべき数値かもしれない。
あなたは肯定派・否定派?…男性のスキンケアはこう見られている
若い世代を中心に、男性のスキンケアが一般的になっている傾向が見えてきた。こうした風潮はどのように受け止められているのか、「男性のスキンケア”をどう思うかを尋ねる調査も行われた。
すると「してほしい」「したほうがいい」を合わせた「肯定的」な人が39.3%。「しないほうがいい」「してほしくない」を合わせた「否定的」な人が13.6%という結果に。
「肯定的」にとらえている人のほうが2倍以上も多くいることが判明した。また、男性に比べ女性のほうが「男性のスキンケア」を好意的に見ていることも明らかに。
性年代別では、男性では年代が高いほど「肯定的」が低下し、「否定的」が高くなる傾向になる。男性の高齢層には同性のスキンケアに対する抵抗感が根強いことがうかがえる。
最後に、男性のスキンケアに関する経験やエピソードが集められた。否定的な回答もあったものの、スキンケアに対する男性の関心度がうかがえるものが多数あり、興味深い。
【男性から…】
・洗顔シートなどで毎日ケアを行っていると、ニキビが出なくなり、肌のツヤやハリが出てきました。洗顔ケアを怠ると一日の気分が悪くなるので、リフレッシュ効果もあると思います。(20代)
・男性用のスキンケアだけでなく、メイクアップまではやってきているが、しなければマナー的にどうか…という風潮にはなってほしくない。化粧するのが当然という流れはいろんな意味でマイナスだと思う。(30代)
・エステに月1回だけ男子の日があるので、行っています。(50代)
・シニア向けのスキンケア用品を使って肌が若くなった。(60代)
・毎週一回、理容室で顔パック。ほっぺがいつもつるつるで友人からうらやましがられています。(70代以上)
【女性から…】
・すごく若々しい上司が男性エステに行っていることを知って納得でした。(20代)
・私がお風呂場で使用していたピーリングジェルが少なくなっていたため、主人に聞いたら主人が使っていた。スキンケアに興味が出てきた様子。(30代)
・肌ケアをしている男性は、仕事もきちんとしていそうで好感が持てる。(40代)
・30代の息子が清潔感を重視して、美容クリニックで脱毛と美肌を始めた。男女に関係なくスキンケアはマナーとして必須の時代だと思う。(50代)
<調査概要>
調査機関:インターワイヤード株式会社が運営するネットリサーチ『DIMSDRIVE』実施のアンケート「男性のスキンケア」。
期間:2019年1月11日~2019年1月25日、DIMSDRIVEモニター3,931人が回答している。
出典元:株式会社プラネット
構成/こじへい