1960年の誕生以来、腕時計の本質を高い次元で追求し続けるグランドセイコーから新開発のムーブメントを搭載した「薄型ドレスシリーズ」が発売された。限定モデル3 機種のうち、18Kピンクゴールドの2モデルには、ブランド初となる日本の伝統工芸である漆芸をダイヤルに採用している。
グランドセイコーの「薄型ドレスシリーズ」
漆の材料には、生産量が限定され希少性の高い、純国産の漆を使用。産地である浄法寺(じょうぼうじ)町は岩手県の北部にあり、雫石高級時計工房とは岩手山を間に対峙した地だ。
国産漆は海外産漆に比べ、乾きが遅く、扱いが困難だが、耐久性・耐光性に優れている。ダイヤルは、岩手山の山肌を彷彿とさせるパターンが透けて見える、透漆(すきうるし)ダイヤル(SBGK002)と、奥行きと深い艶のある黒漆ダイヤル(SBGK004)の2種類で、柔らかな印象を与える丸みを帯びたダイヤルに、均一に漆を塗布することは漆芸の技量が要求される。
それぞれGSのブランドロゴ、12と6のアラビア数字、10か所のインデックスに、金沢の漆芸家・田村 一舟(たむら いっしゅう) 氏が、加賀漆芸の精華ともいえる繊細さと力強さを併せ持った高蒔絵を施し、グランドセイコーらしい立体的で精緻な表現となっている。
限定モデルSBGK005は、岩手山パターンを配した気品のあるグランドセイコーブルーのダイヤルが特徴だ。裏ぶたのサファイアガラスには、青色の獅子の紋章をあしらった。また、同モデルだけの特別仕様として、裏から見ることができるムーブメントにはブルースチールのねじを採用し、時計の表裏両面で青色の世界を楽しめる。
関連情報/https://www.seikowatches.com
構成/ino