朝、頭が働かず、眠くてつらいなどのだるさがあるなら、朝食を抜いたことで起きる「朝食時差ボケ」かもしれない。しかし「朝、食べる気がしない」「食べる時間がない」などの悩みもあるだろう。解決策を時間生物学や時間栄養学を研究する早稲田大学の柴田重信教授に聞いた。
「朝食時差ボケ」とは?
柴田教授によれば、朝食を抜く習慣があると「朝食時差ボケ」の状態に陥りやすいという。
朝食時差ボケとは、午前中、頭が働かない、眠くてつらいといった、だるさを感じること。
これは、主に朝食欠食による体内リズムの乱れが関係していると考えられるという。実際、朝食欠食が習慣付いている多くの現代人が当てはまるのだそうだ。
朝食を抜くと活動スイッチを入れる交感神経が働かず、体温や血圧が上がらない。これがだるさの主な原因だという。
朝食時差ボケの基本については、目覚め方改革プロジェクトの目覚めスッキリコラム「VOL.07「朝食」をしっかり食べて内臓から体内リズムを整えよう」で解説されている。
https://mezame-project.jp/column/column07.html
朝、食べる気がしない場合は“飲む”だけでもOK
朝食時差ボケが気になるビジネスパーソンは多いだろう。しかし朝食はどうしても食べられないこともある。その場合、何かを飲むだけでも良いのだろうか? 柴田教授に聞いた。
「食事による体内時計のリセットには、必ずしも咀嚼は必要ありませんので、飲むだけでも良いかと思います。
カフェイン飲料は、食事とは異なった仕組みで体内時計をリセットできますので、朝食時差ボケの解消には少しは良いかもしれません。
また、飲料では糖分が入った飲むヨーグルトなどは良いでしょう。ただし、野菜だけのスムージー、青汁だけなどの飲料では栄養価として朝食時差ボケの解消はむずかしいかもしれませんので、牛乳や豆乳を混ぜましょう。コーンスープ、ポタージュスープなども良いと思います」
おすすめの炭水化物とたんぱく質のセット
柴田教授によると、朝は「炭水化物とたんぱく質のセット」が良いという。そのおすすめの組み合わせを聞いた。
「簡単に済ませるのであれば、シリアルやグラノーラに、牛乳や豆乳をかけるのは栄養バランスでは良いと思います。
和食では、ごはんに納豆やみそ汁、あるいは卵かけごはんが良いです。
またDHAやEPAなどの魚油系も体内時計のリセット効果をもたらすので、シーチキンや鮭などが入ったおにぎりにするというのも良いですね。
洋食ではツナサンドや卵・ハムサンド。トーストに牛乳、あるいはトーストにゆで卵も良いでしょう」