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「価値」を記録できる?ブロックチェーンの仕組みを解説

2019.03.08

複数のコンピュータが分散して取引を承認することで確実性と正確性を確保する

 ブロックチェーンは「分散型取引台帳である」と説明されることがあります。分散型ネットワークで運用されているからこう呼ばれているのですが、果たして「分散型」とはどのようなものなのでしょうか。仕組みを見てみましょう。

 分散ネットワークでは、多数のコンピュータがみな同じブロックチェーンのデータを持っています。いくつかのコンピュータが同時に故障したとしても、データが失われる心配がなく、ブロックチェーンを実現する機能が完全に停止してしまうこともありません。

 分散ネットワークには中心となる特定のコンピュータが存在していません。したがって分散ネットワーク内のどれかのコンピュータを攻撃したところで、機能を停止させることができません。このような仕組みを自律分散システムといいます。

 ここで実際に新しい取引が行われたときの動きを見てみましょう。新しい取引が行なわれると、その取引データはいったん保留されます。保留されたデータに対して検証が行われます。検証作業は、作業を行いたい人達によって行われます。検証が完了するとブロックチェーンに新しいブロックが繋げられ、取引が承認されます。

 承認は1段階だけではありません。ビットコインの場合だと、1段階の承認に要する時間は10分程度で、この取引を記録したブロックに、さらに新しいブロックがつながれて2段階、3段階の承認が重ねられていきます。時間が立つほど取引の確実性が高くなり、その結果取引の正確性が担保されます。

ブロックチェーンの承認プロセス

取引情報が記録されたブロックに新しいブロックがつなげられることで、承認の段階がひとつずつ増えていく。

まとめ

 ブロックチェーンが持つ2つの特徴。①改ざんが難しい取引台帳であること②分散ネットワークにより停止しないシステムの実現。これらの特性により多くの人が「インターネット上で価値を運べる技術」であることを認め信頼しています。その結果が、有象無象のように発行された暗号資産であるといえます。この特徴を仮想通貨以外にも応用していくのが、今後のブロックチェーンビジネスの鍵を握っています。

取材・文/久我吉史
現役の金融ビジネスパーソンでもある金融ライター。ネット証券やネット銀行などを渡り歩き、ITから法人営業まで何でもこなす。最近は金融ビジネスをコーポレート(法務・会計)目線で作り上げるような毎日を送っている。

作図/稲岡聡平

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