商品として魅力的か?★★★★ 4.0(★5つが満点)
オンとオフそれぞれの走行性能に磨きがかかった「デリカD:5」は、アクティブなユーザーには最も魅力的なミニバンであることは前述した。しかし、看過できないところもある。運転支援デバイスの中に、ステアリングアシストが含まれていないのだ。
任意の車間距離を一定に保ちながら前のクルマに追走できるACC(アダプティブ・クルーズコントロール)や衝突被害軽減ブレーキなどは備わっているが、車線から逸脱するようになった時にステアリングホイールを動かして、回避するデバイスがない。警告に止まっている。
他社では、軽自動車でも同様のデバイスが装備されている時代にあって、遅れを取っていることは明らかだ。そのことは、三菱の開発者氏も認めていた。アライアンス(提携)を組んでいる日産のミニバンには、「オートパイロット」という優れた同種のデバイスが装備されていて、車線の中央を維持して走ることまでが可能なのだ。
スキーやキャンプを楽しんだ帰りのロングドライブを安全に、かつ身心の負担を軽減させる運転支援デバイスの充実は急務だ。アライアンスの効果として、両社の間ではさまざまな取り組みが行なわれているようだが、たとえば、この「オートパイロット」の早々の導入などもひとつの選択肢となるのではないだろうか。
■関連情報
https://www.mitsubishi-motors.co.jp/lineup/delica_d5/
文/金子浩久(モータージャーナリスト)