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PayPayの「100億円あげちゃうキャンペーン」はマーケティングの観点で成功だったのか?

2019.02.21

100億円あげちゃうキャンペーン……

一目見ただけで心を鷲掴みにされるパワーワードだ。おそらく、キャンペーンに参加しなかった多くの人も、この訴求力抜群のキャッチフレーズきっかけで、PayPayの存在を知り、また意識したに違いない。

では、実際のところ、この「100億円あげちゃうキャンペーン」は、マーケティングの観点からどれほどの影響力があったのだろうか?

今回、ネット行動分析サービスを提供する会社ヴァリューズが、一般ネットユーザーの行動ログを用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用して、2018年12月に「100億円あげちゃうキャンペーン」で話題を集めたスマートフォン決済アプリ、PayPayの利用動向の調査を行った。

100億円上限額到達の12月13日、約471万人がPayPayアプリを起動

まず、主要決済アプリ(PayPay、Origami、楽天ペイ、PayPal、PayB、QUICPay)の日次起動ユーザー数を2018年12月で見ると、PayPayはキャンペーン開始からの急増が顕著だ。12月2日(日)にはOrigami、3日(月)には楽天ペイの起動ユーザー数を抜いている【図表1】。

12月3日(月)に104万人程度だった起動ユーザーは、キャンペーン開始の4日(火)には約203万人と倍増。さらに12月7日(金)~8日(土)の週末は約366万人に到達している。

11日(火)にはいったん約350万人を割るものの、12日(水)には約400万人を超え、キャンペーン予算上限額に達した13日(木)は、駆け込み需要と見られ約471万人がアプリを起動していた。

キャッシュバックやポイント還元の効果はわかりやすいのか、12月21日(金)~25日(火)限定で50%ポイントバックキャンペーンを実施した楽天ペイも12月20日(木)にはPayPayから首位を奪取し、キャンペーン期間中の22日(土)には約187万人が利用している。

12月のPayPay新規インストールユーザーのうち9割がキャンペーン期間に集中

PayPayの「100億円あげちゃうキャンペーン」は、新規ユーザー獲得にも貢献している。12月1日(土)には約10万人に満たなかった日次インストールユーザーが、キャンペーン開始前日の3日(月)には約20万人、開始当日4日(火)には一挙に約50万人に到達。

週末8日(土)のピークには約60.4万人がPayPayをインストールしていた【図表2】。12月1ヶ月間で約541万人の新規ユーザーのうち、489万人がキャンペーン期間中に集中している。

楽天ペイもキャンペーン開始前日の12月20日(木)に普段よりは多い約6.7万人が新規インストールしたが、PayPayほどの勢いは見られなかった。

12月14日(金)の新規インストール増加は、突然のPayPayキャンペーン終了に間に合わなかったユーザーの、次なるお得探しが含まれるのかもしれない。

月次のユーザー数推移からは、10月のサービス開始当初に16.1万人とQUICpayを下回っていたPayPayが、12月に約36倍の581万人に急増し、楽天ペイやOrigami決済アプリを一挙に抜き去ったことがわかる【図表3】。

キャンペーンで50代以上のミドル・シニア層を獲得

年代別では、40代がおおむね3割程度で推移しており、利用の中心と見られる【図表4】。他方50代以上のユーザーもキャンペーン期間前後で2割を超え、終了後は3割以上に達していた。決済アプリに親和性の高そうな20代は2割弱で推移している。

女性とシニアがユーザー増を牽引

では、PayPayの戦略にキャンペーンはどう奏功したのだろうか。サービス開始10月からの月次ユーザー数推移を見てみよう。

10月当初10%にも満たなかった女性ユーザーが、キャンペーンの12月には4倍弱の36.0%に急増。お得に敏感な女性の心を掴んだようだ【図表5】。

年代別では、当初14.5%だった50代以上のユーザーが、12月には27.9%増え、全体に高齢化したことがわかる【図表6】。

特に60歳以上の増加が顕著で、10月の4.4%から12月の12.5%へ8ポイントシェアを増やした。相対的に、当初37.7%を占めていた20代が23.6%へと、14ポイント減少している。

増加する富裕層ユーザー

3ヶ月間の推移からは、富裕ユーザー比率の増加傾向も確認できる。世帯年収1000万円以上ユーザーは10月の11.2%から12月14.0%へ3ポイント、800万~1000万円未満ユーザーは10月の11.0%から12.5%へ2ポイント増加し、12月時点で合計26.5%に到達している【図表7】。

最も増加が顕著だったのは世帯年収400万~600万円未満と600万~800万円未満の平均的なユーザーで、それぞれ7ポイント、8ポイントシェアを拡大した。

反対に10月当初48.3%と半数近かった400万円未満のユーザーは、12月時点で28.2%に減少している。

2月12日からは「第2弾100億円キャンペーン」を展開するPayPay。第2弾では支払い手段によって還元率に差が設定され、PayPayボーナスの付与上限が1回あたり1000円、キャンペーン期間中5万円に変更となった。

日常の決済利用促進が狙いのようだが、今後、利用者数やユーザー層はどのように変化するのか、他社決済アプリへの影響など、引き続き動向に要注目だ。

出典元:株式会社ヴァリューズ

構成/こじへい

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