60代以上がプログラミング言語を学ぶ工夫ポイント
PHPやJavaScriptはハードルが低いとはいえ、60代以上のシニアにとっては少しとっつきにくさも感じるだろう。そこで60代以上がプログラミング言語を学びやすくするための工夫ポイントを教えてもらった。
自分の両親に教えるときや、自分が将来シニアになったときにプログラミングに取り組むときなどのヒントにしてみよう。
1.まずはPCやインターネットに慣れる
「当スクールでは、まずパソコンやインターネットの使い方にゆっくりと慣れていただいています。ファイルの開き方と作り方、PCの中のファイルとアプリケーションの保存場所、ブラウザの使い方やIDやパスワードの管理方法などもお教えしています」
2.プログラミングの全体像と原理を把握
「プログラミングの学習に進んでも、いきなりPHPを使った細かいコーディングを理解しようとせず、まずは全体像と原理(プログラミング思考)の把握を心がけるのが良いと思います。当スクールでは、最初はコードを使わず、料理の例え話などを使ってお教えしています」
3.“手を動かして”理解を進める
「1つの同じことをゆっくり何度もスポーツのように繰り返し、『手を動かして』理解することが大切です。頭ではなくスポーツのように身体感覚として身につけると、理屈は後からついてきます。プログラミングは『覚える』ものではなく『使う』もの。それがわかれば、もっと気楽に取り組めるようになります」
4.環境・仲間・先生も大事
「シニアのプログラミング学習は、エンジニアを目指すわけではなく、あくまでも趣味と実益を兼ねた習い事ですので、楽しく、ゆっくり継続できる環境と、信頼できる仲間と先生がいることが重要です。何か1つでも楽しかった、面白かったと言えることを持ち帰ってもらうことが大切だと思っています」
5.“作りたいものを作りながら”学ぶ
「長く楽しく継続するためには、『作りたいものを作りながら』学ぶのが一番です。ある程度、基本を習得したら、好きなことや興味のある分野で小さなアプリを作ってみましょう。自分のためだけに作る、そんな家庭菜園のようなアプリから始めることをおすすめしています」
自分の親もしくは自分がシニアになったら、プログラミング学習を趣味として取り入れてみるのもいいかもしれない。
【取材協力】
TechGardenSchool代表 高橋 与志さん
2011年「起業家のためのエンジニア教室」創設。2016年より「中高年のためのプログラミング教室」を開始。 初心者シニアでもやさしく楽しく学べる手法を日々開発中で、人生100年時代に「好きで稼ぐ!」中高年を増やすことを目的としている。著書に「教えて♪ プログラミング」や「めくって♪プログラミング」(共にリックテレコム)がある。
https://techgardenschool.com/
取材・文/石原亜香利