ソニー生命保険の調査ではシニアのプログラミング熱が高まっていることがわかっている。そこで、シニアのプログラミング教室に、60代から始められる難易度の低い言語と学び方を教えてもらった。自分の親や自分がシニアになったときに役立てよう。
男性シニアの2割弱がプログラミング学習に意欲的
ソニー生命保険が2018年10月5日~10月9日に全国のシニア(50~79歳)の男女に対して行った「シニアの生活意識調査」では、「65歳以降の就労意向がある」シニアの3人に1人、「学び直し意向がある」ことがわかった。
シニアが学習したいことのトップ3は、1位「語学」2位「歴史」3位「パソコン・インターネット」。さらに学び直し意向がある男性シニアの2割弱が「プログラミング学習」に意欲的という結果になった。
プログラミングは今、小学生から大人まであらゆる世代に注目が集まっているが、シニアにまで浸透しているようだ。
60代からでも学べるプログラミング言語
シニアとプログラミングというとなかなか結びつかないが、まったくプログラミングをやったことがないシニアがプログラミングに取り組む場合、どんな言語が適しているのだろうか。
「中高年のためのプログラミング教室」を開催するTechGardenSchoolの代表 高橋与志さんに、60代からでも学べるプログラミング言語を聞いてみると…。
「PHPがおすすめです。文法も英語感覚でなんとなくわかりますし、PHPはもともと、ウェブページを動的に生成するために作られた言語であるため、ウェブサイト表示の基礎であるHTMLとも相性が良く自然に学べます。比較的、習得も楽なわかりやすい言語と言えるでしょう」
もう少し詳しくPHPが良い理由を聞いてみよう。
「PHPは昔から“親しみやすいプログラミング言語”として初心者向けの書籍やスクールで教えられてきた一方で、アプリ開発やWordPressによるサイト制作などの現場でも根強く使われており、エンジニアの間でも『PHPを使えるとつぶしが効く』『なんだかんだで仕事がある』という話も聞くほどポピュラーで汎用性の高い言語です。そのためネット上や書籍による情報が非常に豊富で、疑問に思ったことを調べたり、トラブルの解決方法も見つけやすい、という側面があります。
またPHPのわかるエンジニアや先生も多いため、セミナー・スクールの選択肢が広く、予算や目的に合った学び方を自分でデザインしやすいこともメリットだと思います」
PHPは、実際にウェブサイトなどで使いやすいということと共に、学びやすさもメリットとしてあるようだ。
次の段階は「JavaScript」がおすすめ
PHPで基本を押さえたら、次の段階は「JavaScript(ジャバスクリプト)」がおすすめだと言う。
「PHPでデータの扱いとHTMLによるウェブでの表示方法に慣れた中級以降では、PHPと文法が似ているJavaScriptの勉強に進むのも良いと思います。JavaScriptは現在の動的なウェブサイトを作るのに必須の言語であるとともに、スマホアプリ制作などにも使える応用範囲の広い言語だからです。PHPに加えてJavaScriptも使えるようになると、グッと世界が広がり、さらに楽しさが増します」