効率的な読み方のコツ!
読書のタイミングは、忙しいビジネスパーソンの毎日の中でも、自分で作ればしっかり作ることができることがわかった。では、限られた時間で効率よく読書をする場合、どんな風に読めば良いだろうか。その読み方のコツを大杉さんに聞いた。
●紙の本
1.ブログに書評を書く
「毎日1冊、ビジネス書を読んで、ブログに書評を公開しています。ただ読むよりもアウトプットすることで、記憶に定着し、使える知識・知恵になるメリットがあるためです。また、読んだ本を求める人へ『推薦書』として提示できるようになるメリットもあります」
2.30分程度の隙間時間を数回で読破
「私が本を読むときには、30分程度の隙間時間を数回、確保して読破するようにしています。30分はコーヒーを飲みながら集中して読書するのに最適な長さ。デッドラインを意識するのでスピードも上がり、目も疲れません」
3.「速読」で読む
「私は常に速読で読んでいます。私が実際にやっている方法をご紹介します」
(1)タイトル・表紙・著者プロフィールを読む。
(2)「まえがき → あとがき → 目次」の順に読んで、精読すべき場所を特定する。
(3)その本から得たいことをあらかじめ決め、本文の最初から速読する。
(4)精読したい箇所は数箇所、しっかりと読む。
(5)ブログに引用したいフレーズの箇所に付箋を貼って後で再読する。
(6)ブログに書評を執筆する。
4.楽しんで読む
「読みたい本を楽しんで読むことが何よりも大切。義務感で読んでいると眠くなるのは当たり前です。どれだけ問題意識を持って本と向き合うかがポイントです」
●電子書籍
1.「速読」で読む
「電子書籍も速読しています。目次で全体像をつかみ、最初から高速で読んでいきます」
2.文字を大きめにして細切れのかたまりで読む
「電子書籍を揺れる電車で読むときは、文字を大きめにして、どんどんページをめくっていきます。それではあまり先へ進まないと思われるかもしれませんが、電車移動中は、あえて細切れのかたまりで読むようにしているのです。そのほうが、途中駅で乗り換えするときに中断しなければならないときにも都合が良いからです」
3.英書は単語辞書機能を駆使する
「英書(英語の原書)の場合は、キーワードになる単語だけは、単語辞書機能で和訳を見て読み進みます。この機能があるので、英書は紙よりも電子書籍がおすすめです」
4.大事なフレーズはハイライト
「読んでいて大事だなと思ったフレーズは、付箋の代わりに、ハイライト機能を使ってチェックしておきます。紙同様のしるしになります」
5.色を見たい書籍はスマホなどを使う
「Kindleでは色が出ないので、写真、図、絵などで色を見る書籍は、スマホまたはタブレットで読みます」
読書時間は、確保できる隙間を見つけて30分でも取ること。そして速読やブログ投稿などを通じて、より効率的に読んだ内容を“身にする”こと。そして何より、読みたい本を読むことがポイントと言えそうだ。
【取材協力】
大杉 潤(おおすぎ じゅん)さん
フリーの研修講師、コンサルタント、ビジネス書作家
毎日1冊、ビジネス書の書評を書いてブログに公開。2013年9月より5年半、毎日更新しており、2,000冊を超える書評記事がある。
著書に『入社3年目までの仕事の悩みにビジネス書10000冊から答えを見つけました』(キノブックス)、『定年後不安』(角川新書)、『銀行員転職マニュアル』(きずな出版)がある
大杉潤オフィシャルサイト
https://tsuku2.jp/storeDetail.php?scd=0000054439
公式ブログ
http://jun-ohsugi.com/
取材・文/石原亜香利