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人恋しい人にとって、東京は便利な街だ。
男女の出会いが期待できる盛り場がいくつも存在するのだから。
ちょっとの勇気を携えて訪れれば、まず寂しい思いはしないし、自分にピッタリの恋人だって探し出すことができる。
しかし、無数にあるがゆえに、廃れてしまうところも少なくない。
恵比寿横丁やコリドー街は、盛り場としての旬はとうに過ぎている?
少し前まで話題の出会いスポットとしてメディアでよく取り上げられていた恵比寿横丁やコリドー街は、まさにその廃れかかった盛り場の典型といえる。
いや、相変わらず人の「数」は多い。
金曜の夜などに行くと混雑を極め、歩くのもままならないほどだ。
では、人の「質」はどうかといえば、これが微妙。
かつては、「勇気を出して来ちゃいました……」みたいな感じで、物見遊山的に来ていた人も一定数いたのだが、今は、チャらい男子とイケメン狙いの肉食系女子、あるいは、タダ飯・タダ酒目的の無銭飲食系女子が蟠踞する魔境と化し、いわゆる「普通の人」が非常に少なくなっているのだ。
よって、「まずはお友達から……」と清く正しく段階を踏むような、ウブな出会いはあまり期待できない。
まぁ、東京の、それも都心にある出会いスポットというのは、田舎の新しく出来たゲーセンにヤンキーがたむろし始めた時点から立ち寄りにくくなるのと同じ原理で、チャらい人たちに目を付けられたら最後、ノーマルな人たちは怖くて近寄らない。
か、あるいは、訪れてもトラウマを植え付けられて、二度と来なくなる。
渋谷のハロウィンが良い例だ。
いつだって楽しい場所というのは、横柄なヤツらに目を付けられ、あっという間にたまり場にされてしまう宿命にあるのだ。
よって、東京の出会いスポットの「鮮度」は短い。
雨後の竹の子のように次々と新設されるが、それも、ゲーセンにいるヤンキーの如き不逞の輩たちがすぐに占拠して、腐らせてしまう。
しかし、都心より少し離れた神奈川・千葉・埼玉の繁華街はその限りではない。
盛り場にどことなくアットホーム感が漂い、男女問わず話しやすい人が多いのだ。
その中で特に筆者がおすすめなのは、船橋のPublic standだ。
急激に店舗数を増やしているPublic stand
船橋のPublic standの説明に入る前に、Public standについて説明しておこう。
Public standとは、一言でいえば「出会い」を前提にしたスタンディングバーのこと。
運営しているのは、あの「相席屋」を手掛けるセクションエイトという会社なのだが、「相席屋」のように店側がマッチングをお膳立てしてくれるわけではない。
よって、「出会い」が欲しければ、自分から声を掛けなければならないという、自分の声掛けのスキルと度胸、トーク力が問われる場であり、回数券制を採用しているという特性も含め、銀座・新橋などで営業している300BARや恵比寿・銀座コリドー街にあるスイッチバーとよく似ている。
さてこのパブスタ。渋谷、恵比寿、新宿・歌舞伎町など都心にも多数あるのだが、都心のいずれの店舗にも3回以上訪れた経験則から言わせてもらえば、あまりおすすめしない。
おすすめしないもっとも大きな理由は、東京都心の出会いスポットにいる女子特有の「ガードの固さ」にある。
先述した通り、都心の出会いスポットは、跳梁跋扈する危険な場所だ。
チャらい男に食い物にされぬよう、女たちは身構える(好みのイケメン以外には)。
そのため、話はできるけど連絡先が交換できない、連絡先は交換できるけど繋がらない……といったように、一定のライン以上は踏み込ませない構えの女子ばかりなのだ!
実際、筆者は都心のパブスタでこれまでに20人以上の女子とLINEを交換したが、連絡がつながった人はそのうち1人だけだった……。
トゲトゲしいオーラの人が少ない、船橋のパブスタ
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しかし、船橋のパブスタは違う。
都心の店舗のように、トゲトゲしいオーラを発する人の絶対数が少ないため、比較的和やかなムードが流れている。
もちろん店内には、チャらい男も、アッパーな女子もいる。というか、船橋とはいえやはり盛り場なので、そういった人種のほうが多い。
けれども、男の客層について言わせてもらえば、チャラさ、もとい、強引さの度合いが東京・都心と比べてかなり低い。
都心のチャラ男はすごい。こちらが女子と話していても、平気で「ウェーイ!」みたいなノリで、肩を組み、腰を抱いて連れ去っていってしまう。
一方、船橋のパブスタにおいて、こっちが女子と話している時に下手に割り込んでくるような男はほぼ皆無だ。
いうなれば、東京・都心のチャラ男は全国から選りすぐられた日本代表クラスのチャラ男のエリートで、船橋のチャラ男は千葉の地区予選突破レベル(馬鹿にしているわけではない)。
苦戦を強いられることが少ないという理屈だ。
そう、フツメンでも十分戦える。
このようにチャラ過ぎる男が少ないため、店に集う女子たちも比較的、防御姿勢を解いてくれている。
「イケメンじゃないと話しません」みたいな女子の数もさほど多くはなく、「興味あったので、来てみました」といったふうなフラットなスタンスの看護師さん、OL、女子大生などがちらほらいるため、頑張り次第で好みのコとの会話を楽しむことができる。
さらに連絡を取り合う仲になることも難しくない。
筆者自身、船橋店にはかれこれ10回近く通っているが、毎回、誰かしらと連絡先交換までには至るし、その後、連絡を取り合い、飲みに行ったことも複数回ある。
Public standは現在、船橋店以外にも、千葉店、大宮東口店、町田店など、都心以外の関東圏内に店舗を次々と出店している。
筆者はまだ訪れたことはないが、都心から少し外れたパブスタがアツいことを立証すべく、随時遊びに行って、またレポート記事として報告したいと思う。
取材・文/hiro